トランプ政権に異議を唱えたり、SNS上に政権に対する意見を投稿したりしているサッカーファンや報道関係者は、米国への入国を拒否される可能性がある。すでに入国後にトランプ政権の方針にそぐわない政治的主張を表明した人は、恣意的に拘束され、場合によっては国外退去させられている。
2026年W杯開催に向けた準備の一環として、FIFAは人権保護・推進のための指針である「人権フレームワーク」を策定し、FIFAと開催都市が「すべての個人とコミュニティーを安全で包摂的かつ権利を行使する自由のある環境で歓迎する」ことを約束した。
しかし、FIFAは米政府に移民取り締まりの抑制を働きかけるどころか、2025年12月にトランプ大統領に「FIFA平和賞」を授与し、「世界中の平和と団結を推進する揺るぎない献身」を称えた。トランプはこれを「人生最大の栄誉のひとつ」と喜んだ。
HRWは1月13日、FIFAに書簡を送り、W杯のスタジアム、ファンゾーン、開催都市において、米当局の移民取り締まりやICEの活動がサッカーファン、スタッフ、地域住民、その他関係者の人権を侵害するリスクに対し、FIFAがどのように対処するかを明確にするよう要請した。FIFAからの回答はなかった。
W杯は7月19日まで開催される。FIFAは米政府に対し、W杯期間中の「ICE休戦」を即時発表するよう公に圧力をかけるべきだ。すべてのW杯関連イベント、ファンゾーン、試合会場において、米当局が移民取り締まり活動を行わないことを約束させなければならない。
W杯は世界の人々が集まるサッカーの祭典である。米国による不当な移民の逮捕・収容をファンが不安に思うような場であってはならない。トランプ政権の無慈悲な政策からサッカーファンを守るために、FIFAは今すぐ行動すべきだ。現在の米国は、世界に門戸を開くどころか、あえて訪れようものなら危険にさらされるぞ、と脅しているも同然なのだ。


