パートナーとしてのChatGPT活用法
ChatGPTのポテンシャルを十分に引き出せていないことを示す、もう一つの兆候がある。それは、AIの回答に異を唱えないことだ。
OpenAIは最近、過度に迎合的だった「GPT-4o」を引退させた。開発者たちは、ユーザーが「親しみやすい会話スタイルや温かみ」に惹かれていたと説明する。しかし、率直に言えば、GPT-4oは何でも肯定してくれるイエスマンだった。ユーザーの考えを検証するよりも、それを肯定する傾向があったのである。
その後のアップデートは改善だった。あらゆる考えを無条件に肯定してくれる相手ではビジネスの成長につながらない。ChatGPTが果たす最も有益な役割の一つは、ユーザーの仮説を検証し、あえて反論を投げかけるスパーリングパートナーとなることだ。筆者がChatGPTと交わした最も実りある対話のいくつかは、次のような問いかけから始まっている。「これが私の次にやろうとしていることだ。それに対して、最も強力な反論を提示してほしい」。
KPMGとテキサス大学オースティン校の調査レポートの著者らは、熟練したAIユーザーはモデルの回答を受動的に受け入れるのではなく、その思考そのものを形づくることに能動的に関与していると指摘する。彼らは優れたアウトプットの具体例を提示し、クエリに対するパラメータを明確に設定することで、AIが最大限に機能できる環境を整えているのである。「価値は、より良い単発の質問からではなく、時間をかけてモデルを導いていくプロセスから生まれる」と著者らは述べている。
心理学者なら誰しも、「相手が自分の考えを読めると思い込んではいけない」と助言するだろう。それはAIについても同じだ。AIは高い能力を備えているが全知全能ではなく、こちらが説明しなければ何を求めているのかを理解することはできない。この強力な新しいツールを最大限に活用するには、単なる検索エンジンとして扱うのではなく、本来持ち得るパートナーとしての力を引き出すべきなのである。


