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2026.06.12 07:30

スペースXがいよいよ上場へ 「一世代に一度」の巨大IPOラッシュ、投資家のチャンスとリスク

Ogulcan Aksoy - stock.adobe.com

では、なぜアンソロピックは上場をめざしているのか。同社のダニエラ・アモデイ社長は先日、あるテック会議で簡潔にこう説明している。AIモデルの訓練は「たいへん資本集約的な事業」であり、そうした長期サイクルの投資のための資金調達には公開市場が「とても適している」のだと。

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指数への組み入れがはらむ問題

退職後に備えた貯蓄をしている米国人の多くは、広範なインデックスファンドを通じてそれを行っている。こうした金融商品はパッシブ運用される仕組みになっており、指数に従って機械的に保有銘柄を決めている。

この仕組みは、ある銘柄があまり大きな変動をもたらさないような規模で、徐々に指数に組み入れられているときには、総じて問題ない。しかし、スペースXが時価総額1兆7500億ドルという規模でいきなり登場するとなると、事情は変わってくる。

スペースXなどの超大型上場を前に、ナスダックは「ファストエントリー(早期採用)」と呼ばれるルールを設けた。ナスダック100株価指数について、新規上場銘柄の時価総額が現在の構成銘柄の上位40位以内に入る場合、これまでよりも早く組み入れられるようにした。この新ルールにより、スペースXは6月12日に予定されるIPOから、わずか15営業日後にナスダック100に採用される見通しとなっている。

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これはつまり、ナスダック100に連動するすべてのファンドは、スペースXの株式を購入しなくてはならなくなるということだ。その資金を捻出するために、アップルやマイクロソフト、エヌビディアなどの既存ポジションを削減せざるを得なくなるだろう。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは異なる対応をした。S&P500種株価指数について、超大型IPOのためにファストトラックを設けるルール変更はしないと発表した。現行ルールでは、IPO直後のスペースXは指数への採用に必要な条件を満たしていない。上場後12カ月を経ておらず、2026年第1四半期に42億8000万ドル(約6870億円)の損失を計上しているからだ。S&P500へのスペースXの組み入れは少なくとも1年先になる。したがって、ナスダック100への投資家と異なり、S&P500への投資家は当面はスペースX株を自動的に保有せずに済む。

筆者が言いたいのは、こうした超大型上場は、ほとんどの投資家には見えない構造的な歪みを生み出すということだ。指数に新たに組み入れられた銘柄を買うために、資金が再配分される。リバランス取引によって株価が変動する。既存株主の株式売却が制限される「ロックアップ」期間が終わると、彼らの一部は換金に動くため追加の売り圧力が発生する。ちなみに、ロックアップ期間は一般にIPO後120~180日程度だが、スペースXは段階的に解除する方式をとる可能性がある。

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