経営・戦略

2026.06.12 15:00

スペースXが描く宇宙経済、AIデータセンターとワイヤレス送電

Michael Yanow/NurPhoto via Getty Images

Michael Yanow/NurPhoto via Getty Images

一部の人々にとって、スペースXの新規株式公開(IPO)に参加することは、ロケットビジネスそのものへの投資であるかのように見える。同社はこれまで、再利用可能なロケット「ファルコン9」による衛星打ち上げや、国際宇宙ステーション(ISS)への宇宙飛行士および物資の輸送、そして人類史上最大のロケット「スターシップ」の開発によってその名声を築き上げてきたからだ。もしスターシップが打ち上げコストの劇的な引き下げに成功すれば、次に焦点となるのは「軌道上に何が建設されるか」という点だ。

スペースXによると、スターシップは100トン以上の物資を地球低軌道(LEO)に運ぶ能力を持ち、完全再利用による運航が実現すれば、打ち上げコストを劇的に削減できるという。

世界経済フォーラム(WEF)の予測では、世界の宇宙経済の規模は2023年の約6300億ドル(約100.8兆円。1ドル=160円換算)から、2035年には1兆8000億ドル(約288兆円)にまで拡大する見通しだ。これは世界全体のGDP成長率の約2倍に相当するペースである。

スペースXの正式名称は「スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ」であり、ナスダック市場には「SPCX」のティッカーシンボルで上場する。公開価格は1株あたり135ドルと正式決定された。

スターシップが成功したら、何が築かれるのか

一部の投資家は、上述した問いへの答えとして、これまでにない規模のデータセンターやエネルギーインフラ、あるいは産業施設などがあると考えている。その最も身近な例がスターリンクだ。

アナリストによると、スターリンクの加入者数はすでに1000万人を超えており、現在地球の軌道上を飛び交う全稼働衛星の約3分の2を占めるまでになっている。スペースXはますますインフラ企業としての存在感を高めており、投資家たちはスターリンクの通信網だけでなく、軌道上のデータセンターや、宇宙から地球へワイヤレスで電力を送る太陽光発電システムがもたらす未来を見据えている。

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翻訳=江津拓哉

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