サイエンス

2026.06.12 18:00

脳のパフォーマンスを最大化する「利き目」の正体と数億年の進化の理由

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利き目は自分で選択できるのか?

遺伝的素因と、幼少期の経験の相互作用は、この問題を真に複雑なものにしている。どちらか一方だけでは、全体像を語ることはできない。

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利き目に関する家族研究では、側性化には遺伝的要因が多少影響していることが示唆されている。ただし遺伝的要因は、利き目が左になるか右になるかを直接決定するわけではなく、利き手の場合と同様の仕組みによって、「左右の好みの強さ」や「発達段階での現れ方」に偏りを与えているに過ぎない。

遺伝子が確立するのは、初期の配線、つまり、両目からの入力が大脳皮質に伝達される際のわずかな非対称性であり、「左右の競争」が始まる前から、片方の目が持つわずかな優位性のようだ。左右のどちらが優位になるかという競争そのものは、ヒューベルとウィーセルが臨界期と呼んだ期間に展開される。これは人間の場合、生後数年という短い期間であり、そのあいだ大脳皮質は、両目の相対的な活動レベルに対して極めて敏感になる。

この期間に、より一貫性があり、相関性の高い信号を送る方の目が、大脳皮質の領域をより多く確保する。もう一方の目は、それに応じて領域を譲り渡すことになる。臨界期における単眼遮蔽(乳幼児期に片目を眼帯で覆うこと、あるいは、自然な弱視によって生じる類似現象)は、開いている目にとって有利な形で、大脳皮質の恒久的な再編成をもたらす。一方、成人に対して同じ介入をしても、永続的な変化はほとんど生じない。

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ただし最近の研究は、この見解に、良い意味で複雑さを加えている。成人に対する短期間の単眼遮蔽は、たとえ数時間の眼帯装着であっても、それまで支配的でなかった目に有利な形での知覚的優位性を、測定可能なレベルで変化させることがわかったのだ。この効果は一時的なものだが、成人の脳には、厳格な臨界期モデルでは予測できない可塑性が残されていることを示している。臨界期は閉じるが、固定されるわけではないのだ。

進化は明らかに、左右分化した脳を選択してきた。非対称性の方が、対称性よりも機能的に優れているからだ。視交叉は、視覚の左右分化と、四肢の左右分化を結びつけ、利き目と利き手を関連づけた。そして眼優位性カラムは、そうした選好に対して、大脳皮質における神経基盤を与えた。

遺伝子が初期の偏りを規定し、出生後の初期経験が左右の競争に影響を与え、勝者を決定した。そして成人期になっても、このシステムにはわずかながら調整の余地が残されている。

カメラをのぞく時に無意識に閉じる目は、単なる気まぐれな習慣などではない。それは、数億年にわたる自然選択の結果だ。ゲノムに刻み込まれ、乳幼児期の短い期間に形成され、大脳視覚野におけるわずか数ミリの精密な構造として現れている。ほとんどの人が意識することのないこの現象には、実に長い歴史があるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=米井香織/ガリレオ

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