私たちの「利き目」は、「支配的な肢」によって決まったのか?
利き目がどのように決まるかを理解するには、神経回路を追う必要がある。最初の重要な分岐点は視交叉(しこうさ)だ。これは、左右の眼から伸びる視神経が、部分的に脳の底部で交差し、反対側の脳半球へ向かう部位のことだ。この構造には、進化の観点から見て深い意味がある。
四肢が体の側面に位置する動物(四肢を持つほとんどの脊椎動物を含む)では、支配的な(右か左かの)網膜からの投射は、反対の脳半球に向かう。この仕組みにより、特定の四肢に関する視覚、触覚、固有受容感覚、運動情報は、すべて同じ半球内で処理され、エネルギーを要する半球間の協調作用を必要としない。
仮説としては、原始的な脊椎動物が、四肢のない祖先から進化した際に、対側投射(contralateral projections:反対側の脳半球に向けて神経線維が接続する現象)が強い方が有利になったと考えられる。なぜならそれによって、視覚に導かれた運動を、2つの半球間でやり取りするのではなく、片方の半球内だけで効率よく調整させることができたからだ。この見解によれば、利き目という現象は、部分的には「四肢の発達が残した遺産(名残)」と言える。
「利き目」を可能にする構造
霊長類では、その構造はより特化している。脳の一次視覚野(視覚中枢)は、その神経資源の大部分を、両眼視領域、つまり両目が同時に捉える視野の領域に割り当てている。この重なりを処理するため、両目からの入力は、交互に並ぶ神経細胞の帯状構造へと整理されており、それぞれの帯は、片方の目からの信号に対して優先的に応答する。
こうした帯状の構造は、「眼優位性カラム(ocular dominance columns)」と呼ばれ、1960年代にデイヴィッド・ヒューベルとトルステン・ウィーセルの両氏がノーベル生理学・医学賞を受賞した研究で記述されたものだ。彼らが、ネコやマカク属のサルの脳から得た神経活動の記録は、視覚野が両目の信号を単に中立的に統合する場所ではないことを明らかにした。そこには、組織そのものに組み込まれた偏りという構造が存在していたのだ。
ヒューベルとウィーセルがさらに発見したこと(そして後の研究で、視覚を奪われた動物でも確認されたこと)は、この組織の基本的な構造が、視覚経験が始まる前から決定づけられているということだ。光に全くさらされずに育った動物でも、出生時には、整然とした受容野とカラム状構造が見られる。その構造は遺伝的に決まっており、経験が果たす役割は、どちらの目の信号が、より強力なカラムを形成するかを決定することなのだ。


