ロイター通信によると、スペースXの新規株式公開(IPO)に対する投資家からの需要が2500億ドル(約40兆1000億円)に達した。これは同社がIPOで調達を目指す750億ドル(約12兆円)をはるかに上回る規模であり、上場後は世界で最も企業価値の高い上場企業の一つとなる。
イーロン・マスクが所有する同社は、1株135ドルで約5億5560万株を売り出す予定で、これにより約750億ドルを調達し、企業価値は約1兆7700億ドル(約284兆円)に達する見込みだ。
しかし、ロイター通信が事情に詳しい匿名の関係者の話として伝えたところによると、投資家の需要は提供される株数を大幅に上回っている。投資家需要は2500億ドルを超えており、予定されている募集規模の約4倍という高い申込超過率となっている。
関係者によると、長期投資家から大口の注文が入っているという。スペースXは引き続きIPOのマーケティング活動を行っているという。
フォーブスはスペースXにコメントを求めている。
マスクは史上初の「兆万長者(トリリオネア)」に
IPOに対する巨大な需要に応えるため、スペースXは追加の株式発行や公募価格の引き上げを行う可能性がある。同社は6月12日にティッカーシンボル「SPCX」で上場する予定だ。
フォーブスの推計によると、米国時間6月9日時点でイーロン・マスクの純資産は7928億ドル(約127兆円)で、世界一の富豪となっている。マスクはスペースXのIPOによってその地位をさらに盤石なものとし、史上初の兆万長者(トリリオネア)になる可能性が高い。マスクはスペースXの普通株式の42%を保有している。
スペースXのIPOは、同社が人工知能(AI)スタートアップのxAIを買収してから数カ月後に実施される。この買収にはソーシャルメディアプラットフォームの「X」も含まれており、マスクの3社が一つの傘下に統合された。統合後の企業はAIデータセンターを宇宙に設置することで、AIコンピューティング分野のリーダーを目指している。スペースXは、宇宙空間のインフラは地球上のインフラよりも高い効率で、極めて負荷の高いAIワークロードを処理できると主張している。米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、同社は早ければ2028年にAIコンピューティング衛星の展開を予定している。スペースXは昨年187億ドル(約3兆円)の売上高を計上したが、依然として赤字が続いており、49億ドル(約7860億円)の損失を計上した。



