5. Mythosによる科学の加速が研究速度を押し上げる
制限を外したモデルは審査を経たパートナーのみに提供されており、それらのパートナーはすでに最先端の科学研究に活用している。創薬設計では、パイプラインの一部をおよそ10倍高速化した。ゲノミクス(ゲノム解析)の分野では、Mythos 5が訓練したカスタムモデルが、最近発表されたモデルの100分の1のサイズでありながら、これを上回る性能を示した。また、Mythos 5が生成する分子生物学の新規仮説は、約8割のケースでOpusクラスのモデルの出力よりも科学者に支持された。研究の加速が、大規模に現実のものとなっているのである。
6. 法外な負担を強いない企業向け価格設定
Fable 5とMythos 5はいずれも、入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドルだ。これはMythos Previewの価格の半分以下である。「AIコスト危機」を懸念する企業にとって、好材料と言える。
モデルはすでにClaude APIと従量課金制のエンタープライズプランで利用できる。アンソロピックによると、サブスクリプションプラン(Pro、Max、Team、シート課金のEnterprise)では6月22日まで無料で利用でき、それ以降の利用にはクレジットが必要となる。
すでにFable上で構築を進めている企業
Boxは、財務文書、契約書、ライフサイエンス研究向けのBox AgentsへFable 5を即時統合すると発表した。創業者兼CEOのアーロン・レヴィがLinkedIn上でこの動きを公表している。Stripeはコードベース移行に同モデルを導入した。LovableのCTOは、かつて100回のプロンプト入力を要したアプリが、今では一度の指示で立ち上げられると述べた。生物学研究者の一団も、Mythos 5を発見研究に活用すべく参加を進めている。
重要なのはアーキテクチャだ。Fable 5とMythos 5は、内部的には同一のモデルだが、両者を分けるのは安全性フィルタリングとなる。Fable 5には、サイバーセキュリティ、生物学、化学、モデル抽出の試みに関わるリクエストを検出する分類器が組み込まれている。こうした分類に該当するリクエストが検出されると、処理はOpus 4.8に引き渡される。Mythos 5では、信頼できるパートナー向けにこうしたガードレール(安全装置)が取り除かれている。フィルターが作動するのはセッションの5%未満であり、通常の業務を妨げることなく例外的なケースを捕捉する。
Mythos級のすべてのトラフィックには、安全性モニタリングを目的とした30日間のデータ保持ポリシーが適用される。アンソロピックは、このデータを訓練には使用しないと確約している。
アンソロピックは自社の最も強力なクラスのモデルを一般に開放した。この動きは、Fableが本番利用に足る安全性を備えており、市場がこの深さの推論を受け入れる準備ができているという同社の自信を示唆している。


