ドナルド・トランプ大統領によって設立されたメディア企業、トランプ・メディア&テクノロジー・グループ(以下、トランプ・メディア)は、同社が展開するSNS「トゥルース・ソーシャル」を独立した上場企業としてスピンオフする計画を断念した。同社が米国時間6月10日に発表した。同社は現在、核融合スタートアップのTAEテクノロジーズとの合併を「可能な限り速やかに」完了させる計画を進めている。
トランプ・メディアがスピンオフを撤回 合併完了は2026年第4四半期
トランプ・メディア、TAEテクノロジーズ、および特別買収目的会社(SPAC)のテキサス・ベンチャーズIIIは、「さらなる評価・検討を重ねた結果」、トゥルース・ソーシャルなどのスピンオフ計画を断念する方針を発表した。同社はこの計画を断念した具体的な理由を明かしていない。
各社が2月に発表していた当初の計画では、トランプ・メディアがTAEテクノロジーズと合併した後に、トゥルース・ソーシャルがテキサス・ベンチャーズIIIと合併する予定だった。そして、この一連の取引が完了する前に、分離独立する新会社の株式が既存の株主へ分配される手はずとなっていた。
トランプ・メディアとTAEテクノロジーズの合併については、2026年第4四半期またはそれ以前での完了を目標に掲げ、「可能な限り速やかに」実施する計画であると説明した。
10日の取引開始直後、トランプ・メディアの株価はわずかに下落(0.3%安)し、年初から41%近く下落した同銘柄の下げ幅をさらに広げる形となった。
時価総額は約3520億円 最高値から75%近く下落
同日時点におけるトランプ・メディアの時価総額は22億ドル(約3520億円。1ドル=160円換算)だ。2025年1月に記録した過去最高値の約87億ドル(約1.39兆円)から、75%近くも一気に下落した計算になる。
フォーブスの推計によると、トランプの推定資産額は61億ドル(約9760億円)にのぼり、彼は世界で665番目の大富豪に位置づけられている。トランプはトランプ・メディアの52%の株式を握る筆頭株主であり、その保有株数は1億1470万株に達する。これは10日の株価換算で約9億3250万ドル(約1492億円)の価値に相当する。
トランプ・メディアとTAEテクノロジーズは昨年12月、評価額60億ドル(約9600億円)での合併に合意したと発表した。トランプ・メディアは合併発表当時、50メガワット規模の「実用可能な世界初の核融合発電所」を建設する方針を掲げていた。
核融合発電所の建設を計画 暗号資産・予測市場にも進出
トランプによって設立されたトランプ・メディアは、2024年3月にデジタル・ワールド・アクイジションとの逆さ合併によって上場を果たした。しかし、上場以来その株価は極めて激しい値動きを繰り返している。
トランプ・メディアは暗号資産分野への進出も図っており、昨年には金融サービスブランド「Truth.Fi」の立ち上げを発表したほか、予測市場ビジネスへの参入計画も進めている。この予測市場ビジネスでは、Crypto.comとの提携のもと、ユーザーが政治選挙の結果やインフレ率の変動といった具体的なイベントに対して賭けを行える仕組みを導入する予定だった。



