エコシステム

2026.06.13 14:15

激動のシリコンバレー 日本企業は新たなイノベーションの波をどうつかむべきか?

SBI Holdings USA, Inc. CEO山田昌平(左)、同社シリコンバレー拠点ヘッドの高 錫俊(右)、そして筆者(中央) Courtesy of the Author

マイクロVCとの連携を通してイノベーションの源流にアクセス

吉川:さまざまな分野でイノベーションが生まれている中、マーケットの最前線を追求している特化型マイクロVCと幅広く連携することが、日本企業にとって一つの重要な戦略になってくると考えています。

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そのため、私が創業したAcross Venturesでは、20以上の特化型マイクロVCに出資するファンド・オブ・ファンズのプラットフォームを構築し、日本企業が各分野のイノベーション最前線に効率的にアクセスできるチャネルを提供することを目指しています。幅広くイノベーションをカバーする一方で、専門性をもつマイクロVCのジェネラルパートナーとの連携を通して、「深さ」も追求する狙いです。

山田:マイクロVCは世界に2000社近くあるとも言われています。その中から、本当に優れたVCを見極めるには、現地に根差した幅広いネットワークと高い目利き力が必要になります。SBIは今回Across Venturesと戦略的に提携することで、自社ファンドの直接投資に向けたインサイト獲得とディールフローの拡充を目指しています。

:日々マイクロVCと連携することで、アメリカにおけるイノベーションの「次の波」について、彼らがどのような仮説を持って投資しているのかを学ぶことができます。特定領域に没頭しているドメインエキスパートだからこそ、3〜5年後にその領域で何が起こるかの解像度が圧倒的に高いのです。

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もちろん彼らの仮説が常に正しいとは限りません。しかし、だからこそ多くのマイクロVCと接点を持ち、彼らの考えを咀嚼し、自社の戦略につなげていくことが重要だと考えています。

日本企業がシリコンバレーで“エコシステムを創る側”に回る意味

吉川:先ほど、SBIとしてもネットワークを作っていきたいとおっしゃっていましたが、具体的にはどのようなアイデアがありますか?

山田:例えば、米国のマイクロVCと連携し、彼らの有望なポートフォリオ企業を招いて、我々がピッチコンテストを開催することもあり得るかと思います。我々が既存のエコシステムの参加者になるだけではなく、仕掛ける側に回り、他の投資家を呼び込んでいく。そうすることで、日本企業としての存在感やネットワークも自然と強化していきたいと思っています。

:自らが仕掛ける側に回ることで、ディールフローが「探す」から「集まる」へと変わります。例えばSBIグループがもつグローバルネットワークや特にアジア各国のパートナー網を米国マイクロVCに対して開示し、「日本・アジア展開を考えるなら、まず我々に相談してほしい」というポジショニングを築いていく。自社の強みや戦略テーマをエコシステムに対してリバースピッチし、関連する案件を呼び込むようなやり方も考えられます。

吉川:また、そういったマイクロVCのネットワークと、グローバルな野心をもつ日本のスタートアップをつなげていくことも、Across Venturesで実現したいことの一つです。

“Global from Day 1”のスタートアップになるためには、創業初期から海外VC、特に特化型マイクロVCに出資参加してもらうことが重要だと考えています。良い特化型マイクロVCに巡り合えれば、彼らは業界知見をフル活用しながら、将来的なグローバル展開を見据えたビジネスモデルづくりやチーム構築を伴走してくれる存在になるでしょう。

山田:まさに今、アメリカを震源地としてイノベーションがダイナミックに加速しているからこそ、日本の大企業やスタートアップと一緒に、果敢にこの大きな機会をつかみにいきたいと強く思っています。

文 = 吉川絵美

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