この戦争で最もよく見られる爆発成形弾のひとつとして、ウクライナ軍が使用しているBONUS(ボーナス)155mm砲弾が挙げられる。スウェーデンのボフォースとフランスのネクステール(現KNDSフランス)が製造するこの砲弾は、目標地域の上空で子弾を2個放出する。子弾は目標を捜索し、発見すると照準を合わせて起爆し、爆発成形弾を発射する。2022年7月の動画には、ロシア軍の車両がBONUSで撃破される様子が捉えられている。小型の対戦車地雷のなかにも爆発成形弾を発射するものがある。
The #Ukrainian Armed Forces destroyed a #Russian anti-aircraft system of the type "Pantsir-S1" worth 15 million dollars. pic.twitter.com/TBEqsXPizk
— NEXTA (@nexta_tv) July 2, 2022
爆発成形弾頭を搭載したドローンは明らかに、ネットやケージ、その他「亀戦車」仕様の追加装甲など、各種対ドローン防護への対抗手段になる。ドローンは、そうした防護物を取り付けた車両をある程度離れた距離から攻撃でき、発射された金属弾はその防護物を容易に貫通できるからだ。ただし、この種の弾頭は適切なタイミングで照準を合わせて起爆させる必要があり、そのため操縦士には高度なスキルが求められる。
爆発成形弾を対人弾として用いるのはさらに難易度が高い。ウクライナ軍は以前、クレイモア対人地雷型の弾頭を搭載したFPVドローンを使用したことがある。このタイプの弾頭は、前方の広い扇形の範囲に破片をまき散らす。しかし、こうしたドローンはあまり広く見られない。それもやはり、きちんと使うには高い技能が求められるからかもしれない。爆発成形弾は適切な距離で起爆させるだけでなく、一段と正確に照準を合わせる必要もあり、そうできなければ役に立たない。操縦士にとってはかなり厳しい要求だ。とはいえ、AIによる支援を受けられるなら事情は変わってくる。
増えるAI搭載ドローン
いまから振り返ればのどかな時代だった2018年、米国人ユーチューバーのマイケル・リーブスは、人の顔をめがけて飛んでいくクワッドコプター(回転翼4枚のドローン)のスウォーム(群れ)を自作するという興味深い動画を公開した。顔認識ソフトウェアは本来、カメラが画像内の適切な位置にピントを合わせるために使われるものだ。この顔認識ソフトウェアと簡単な自動操縦装置を組み合わせれば、頭を見つけてぶつかっていく格安の自律的な「攻撃ドローン」を作れるのではないか、というのがリーブスのアイデアだった。失敗を重ねながらも、彼はどうにかそれに成功し、動画は数百万回再生された。


