マーケティング戦略エージェンシールグラン創業共同CEOの泉浩人氏は、ビッグデータを活用したAKB48選抜総選挙予測で注目を浴びるなどしたデジタルマーケティングのプロだ。本稿は泉氏による寄稿である。
昨今、「ググる」と表示される「AIによる概要」で、ほしい情報のおおよそがわかってしまう(わかった気になってしまう)ようになった。このことはGoogle検索に関するユーザー行動、マーケティング戦略の様相をドラスティックに変えたが、われわれはいったい今、「SEO(サーチエンジン・オプティマイゼーション:検索エンジン最適化)」をどう考えたらよいのか。泉氏が考える。
GEO・AEO・LLMO -「結局はSEO」というGoogleの公式見解
2026年5月15日、Googleが「生成AI検索のための公式最適化ガイド」を公開した。そこで明示されたのは、検索エンジンマーケティング界隈で注目のトピックとなっているAEO(Answer Engine Optimization)も GEO(Generative Engine Optimization)も「Google検索においては、結局のところSEOである」という結論だった。さらにGoogleは LLMS.txt(AIのエンジンがWebサイトの情報を効率的に理解・参照できるように、サイトの概要や重要ページへのリンクをまとめたテキストファイル)や、コンテンツの細分化、AI向けの書き直し、構造化データの多用などは、いずれも不要であると明言した。
一方、時を同じくして、米国のSEOメディアSearch Engine Landには「AIに発見・引用されるためには従来のSEO手法だけでは不充分である」という記事も掲載され、AI検索時代に即した新たな手法やKPIの検討・導入を促している。様々な意見やアドバイスが飛び交う今日、マーケターは何を信じればよいのか。
本稿では、国内外のSEO専門家・専門メディアから発信されている最新の情報なども踏まえ、AI時代の検索エンジンマーケティングに冷静に対応するためのポイントを提示する。
続々登場する「AI時代の最適化」用語と、その正体
最初に、AI時代の検索エンジンマーケティングという文脈において頻繁に登場する3つの用語、GEO・AEO・LLMOについて簡単に整理をしておきたい。
GEO (Generative Engine Optimization) は文字通り「生成AIエンジンに向けた最適化」を指す。具体的には、ChatGPT、Gemini、Claude、Google AI Overviews といった生成AIの回答に、自社の社名やブランド、あるいは自社サイトのコンテンツが紹介・引用されるようにするための取り組みである。2023年にプリンストン大学の研究者などが執筆した論文で提唱されたことが始まりとされる。
AEO (Answer Engine Optimization) は「回答生成エンジンに向けた最適化」という意味で、元々はGoogleが強調スニペットやナレッジパネルなど、検索結果の中で、外部サイトへのリンクだけでなく「回答」を表示し始めたことに対応するための施策という意味で使われていた。現在では「生成AIが生成する回答」に引用されるための取り組みという意味で使われる場面が増えている。
LLMO (LLM Optimization) は「大規模言語モデル(LLM)に対する最適化」を意味する言葉で、これはLLM の学習データや、LLM が引用元として参照する範囲に自社の情報が含まれるための取り組みを指す。GEO と共通する部分も多いが、LLMOの場合「個別の回答に自社のコンテンツが引用されるかどうか」よりも「LLMの学習データの中に自社の存在が認識されているかどうか」が重視されることが多い。



