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2026.06.10 10:00

スペースXのIPOは284兆円規模の「宇宙経済」への投資だ

Michael Yanow/NurPhoto via Getty Images

Michael Yanow/NurPhoto via Getty Images

近くナスダック市場への上場を控えるスペースX株は、1株あたり135ドルでの売り出しが予定されている。世間の大半はこれを「ロケットビジネスへの投資」と捉えているが、実はロケット自体は投資の動機として二の次かもしれない。

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今回の新規株式公開(IPO)の本質は、地球低軌道に誕生しつつある「宇宙経済(軌道経済)」という新たな市場そのものへの賭けなのだ。

2024年時点で約3500億ドル(約56兆1000億円)だった同社の企業価値は、今回のIPOによって1兆7700億ドル(約284兆円)にまで跳ね上がる見込みだ。

現在スペースXは1万機を超える現役のスターリンク衛星を運用しており、これは軌道上を飛び交う全稼働衛星の約3分の2を占める規模だ。将来的にはこの数を2万機にまで拡大する計画を進めており、すでに世界164カ国で1030万人のユーザーがサービスを利用している。

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ロイター通信によると、スペースXのスターリンク事業は2026年第1四半期に11億9000万ドル(約1910億円)の営業利益を計上したのの、グループ全体では、売上高46億9000万ドル(約7520億円)に対し、総額19億4000万ドル(約3110億円)の営業赤字を計上しているのが現状だ。

同社の正式社名は「スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ・コーポレーション」であり、ナスダック市場には「SPCX」のティッカーシンボルで上場を果たす。

スペースXの成長を今まさに牽引しているのが、衛星インターネットサービスのスターリンクだ。地球低軌道上に張り巡らされたこの通信網は、高速・低遅延のブロードバンド環境を世界中に提供している。2019年に最初の衛星群を打ち上げて以来、今年5月には運用数が1万機の大台を突破し、今や地球上空の全稼働衛星の3分の2を支配するまでになった。

宇宙情報サイトのSpace.comによると、競合のAmazon Leo(アマゾン・レオ、旧プロジェクト・カイパー)が保有する衛星はまだ300機にとどまり、最終的な計画も3200機の運用規模だという。スペースXは単に「宇宙へ行く手段」を売るビジネスから、「世界をつなぐ通信インフラ」を売るビジネスへと完全に舵を切っており、その野心はさらに先を見据えている。

市場では、多くの投資家がスペースXのIPOの本質を見誤っているという指摘もある。未来学者で起業家でもあるブレット・ハート(著書『Love Conquers Fear: Humanity, AI, and the Age of Abundance for All(原題)』)は、インタビューの中で、「世間はロケット企業に投資しているつもりだろう。だが実際には、通信ネットワークや次世代データセンター、さらには未来のエネルギーインフラへ投資しているようなものだ」と述べる。

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翻訳=江津拓哉

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