気候・環境

2026.06.13 15:00

6億人が直面する命の危機、深刻化する「冷却格差」と熱中症の脅威

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今年に入り、インド南部では熱中症で少なくとも16人が死亡している。英国では5月として史上最高気温となる35.1度をロンドン南西部で記録した。日本の職場では2025年に熱中症を発症した人が合計1803人に上った(2024年の546人から約3.3倍に急増)。そしてプロテニス選手が全仏オープン(ローラン・ギャロス)のコートで倒れる事態も起きている。

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今、どこを見ても、暑さに苦しむ人々のニュースが目に入る。そしてこれは、今後数カ月で世界各地の気象現象を強めると予測される「スーパーエルニーニョ」が到来する前の話だ。

同じようなことが科学文献の世界でも起きている。ここしばらく間に発表された、異なる分野の科学者たちによる一連の研究論文が相次いで発表された。これらの論文は、私たちが生活の拠点とする都市における極端な暑さの、首尾一貫した、そして憂慮すべき姿を描き出している。

まずは交通に関連する2つの研究から見ていこう。

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運転が生む熱のコスト

最初の研究が注目したのは、地球規模の気候シミュレーションにしばしば含まれない熱源である道路交通だ。都市環境における「廃熱」の大半は、4つの発生源に由来する。建物、交通、産業、そして私たち自身の身体だ。これら異なる形態の「人為起源の熱排出」の比率は地域で異なる。例えばロンドンでは2008年、建物が総量の80%を占め、交通と人体の代謝はそれぞれ15%、5%だった。一方で、都市によっては交通が生み出す熱排出の割合がはるかに高く、サンパウロや大邱などの都市では50%を超える。

それにもかかわらず、マンチェスター大学と米国大気研究センター(National Center for Atmospheric Research)の研究者は、「多くの地球システムモデルは交通に起因する人為的な熱をシミュレーションに含めていないため、都市が気候に与える実際の影響を捉えられていない」と指摘する。

この研究グループは状況を変えるべく、既存の気候モデルに組み込める交通熱フラックス・モジュールを開発した。成果は『Journal of Advances in Modeling Earth Systems』に報告されている。モジュールは交通量、車種とその分布(EVはガソリン車やディーゼル車より廃熱がはるかに少ない)、速度、道路特性を考慮し、気象条件や時刻・季節の変化にも応答する。

研究者らはこのモジュールを広く利用されるCommunity Earth System Model(CESM)に組み込み、気候、都市景観、交通パターンが大きく異なる2つの都市地点——フランスのトゥールーズと英国のマンチェスター——で性能を検証した。その結果、交通の熱がトゥールーズの年間平均気温を約0.4度、マンチェスターを約0.25度上昇させることがわかった。

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