欧州と米国の研究者からなるこのグループの目的は、気候変動が深刻化する中で、人々が熱的に安全でいられる能力の規模と性質を定量化することだった。そのために各世帯を、気候曝露、インフラと資産、社会的・熱的な不平等、健康、教育・労働基準という5つの次元でスコア化し、数百の国・地域内のサブナショナル地域について、複合指標「体系的クーリング・プア指数(systematic cooling poverty index、SCPI)」を作成した。
その結果、体系的クーリング・プア(SCP)は広範に存在し、分布も不均一で、約6億人が高いレベルのクーリング・プアを経験していることがわかった。最も深刻な剥奪が見られるのは南アジアとサブサハラ・アフリカである。マラウイが総合SCPIで最も高く(66/100)、次いでコンゴ民主共和国(65)、ネパール(63)、セネガル(62)だった。
ただし、同程度に過酷な条件に直面する国でも、結果は異なり得る。インドネシアとバングラデシュの人口の圧倒的多数(それぞれ96%と95%)は、同じ危険な高湿度の暑熱に曝されている。しかし、インドネシアはより良好な物理的インフラ、例えば建物、道路、配管、緑地と医療システムを備えているため、体系的クーリング・プア指数はバングラデシュより大幅に低い(40対60)。
著者らが先にThe Conversationに記したように、「体系的クーリング・プアとは、個人がエアコンを買えるかどうかではなく、周囲のインフラ、制度、設計が人を有害な暑さに晒し、その暑さから守れないことにある。これは家庭の外、職場、学校、医療システムにまで及び、暑さは健康、生産性、ウェルビーイングに深刻な結果をもたらし得る。さらに、誰が最も苦しむかを決める体系的要因、つまり不平等、差別、家父長制、障害者差別、人種差別へと広がっていく」。
これは世界中の都市にとって何を意味するのか
これら5つの研究が扱うスケールは異なる。世帯調査、SNS投稿、衛星画像、人口研究、気候モデル。しかし総合すると、問題が同時に物理的であり、社会的であり、インフラ的であり、政治的でもあることが浮かび上がる。
都市の暑さは、単に気温の問題ではない。気候変動だけの問題でもない(もちろん、それが重要な要因であることは言うまでもない)。より暑い夏に対処できるかどうかは、設計するインフラ、下す都市計画の意思決定、優先する人口集団、依拠するモデル、医療やその他の公共サービスへのアクセス、そして個人と集団の両レベルにおける私たちの対応に、同じくらい左右されるのだ。


