その併用率を見るとChatGPTが51.3%、Google Geminiが41.2%と上位を占める一方で、導入率で首位だったMicrosoft Copilotは30.1%に留まっている。このことから、「全社標準だから使うツール」と「現場がわざわざ自分で選んででも使いたいツール」との間に乖離が生じ、企業内で「インフラとしてのAI」と「実務で利用されるAI」の二重構造の実態が浮き彫りになった。

現場が全社標準ツール以外を併用、あるいは併用を希望する理由としては、「外部アプリ等との連携の容易さ」が33.1%で最も高く、次いで「高度な思考・論理構築力」、「回答の精度・信頼性の高さ」が挙げられている。職種や部門ごとに求められる専門性やスペックは異なる。例えば、文脈の深い理解や高度な論理構築が求められる経営企画やマーケティングなどの職種では、約9割が全社標準ツールに対して機能不足を感じている。

こうした職種別・部門別の個別最適化が進まない組織のボトルネックとして、セキュリティへの懸念や専門人材の不足とともに、現場の業務実態を精査しないまま全社一律のルールやツールを適用してしまった「トップダウンの弊害」が指摘されている。
企業がこの「活用の二重構造」を解消し、生成AIによる真の生産性向上を実現するためには、全社一律のプラットフォームで全ての業務をカバーしようとする方針を見直す必要がある。職種の専門性や要求スペックに合わせて最適なAIプラットフォームを安全かつ組織的に運用できる「マルチAI活用」を前提とした制度や環境の整備、あるいは既存の全社標準ツールの能力を100%引き出すための実践的な周知・教育への投資が、今後のAI活用における重要な鍵となるはずだ。
出典:SDEパートナーズ「2026年生成AIツール利用実態調査」より


