北米

2026.06.09 14:00

スペースXのIPOで笑うのは本社移転したテキサス州ではなく、元拠点のカリフォルニア?

Michael Yanow/NurPhoto via Getty Images

税収に与える影響は、AIスタートアップよりもはるかに大きい可能性

少々大げさな表現ではあるが、彼の言葉はそれほど現実とかけ離れてはいない。何十年もの間、カリフォルニア州はグーグルやフェイスブック、ウーバーといった巨大テック企業のIPOから多大な恩恵を受けてきた。また、スペースXに続き、サンフランシスコを拠点とする急成長中のAI開発企業、アンソロピックも近くIPOを実施する見通しだ。同社もまた、IPO時には約1兆ドル(約160兆円)の時価総額を目指している。同じくサンフランシスコに拠点を置くライバルのオープンAIも、同様の評価額で今年中にIPOを行うと予想されている。

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しかし、スペースXのIPOが同州の税収に与える影響は、これらのAIスタートアップよりもはるかに大きい可能性がある。理由は単純で、カリフォルニア州内の従業員が何千人も多く、その中にはマスクの下で20年以上働いてきた人々もいるからだ。さらに、退職後も株式を保有し続けている元従業員も何千人といる。

プリンストン大学の経済学教授であるオーウェン・ジダーは、「このIPOによる所得税に関して言えば、カリフォルニア州がテキサス州よりもはるかに多くの税収を得るというのは、非常に説得力がある話のように思える。理由は単純で、テキサス州には所得税がなく、同社の従業員の多くが今もロサンゼルスに住み、働いているからだ」と語る。

課税の時期は不透明だが、カリフォルニア在住の従業員を直撃

一方、州税を研究するクリスティーナ・ルウェレン准教授は、こうした税収が具体的にいつ急増するかは分からないと指摘する。

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「譲渡制限付株式ユニット(RSU)の場合、その権利が確定した時、あるいはその後売却した時に初めて税額も確定する。しかし、株式の価値が猛烈な勢いで高騰している際には、彼らはその時期を調整することで課税額をある程度把握することができる」と彼女は語る。「だが、言うまでもなく、テキサスの従業員に比べて、カリフォルニアに住む従業員の方がはるかに大きな税負担を強いられるのは明らかだ」。

カリフォルニア州は最高所得層に対して12.3%の税率を課しているが、年間総所得が100万ドル(約1億6000万円)以上の個人には、メンタルヘルスケア・サービスの財源を支援するための1%の追加課税が課される。テキサス州は個人所得に対して一切課税していない。これこそが、事態の縮図そのものだ。つまり、スペースXがどこに拠点を置いているかよりも、新たに資産を現金化できるようになった従業員たちがどこに住んでいるかの方が重要なのである。

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翻訳=江津拓哉

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