欧州

2026.06.09 07:30

ロシアに戦争終結を迫るにはバルト海から圧力をかけよ

バルト海に注ぐロシアのネバ川に停泊する北極海向け多目的砕氷巡視船「イワン・パパニン」。2024年7月20日撮影(Getty Images)

作戦の5つの柱

この取り組みは、5つの柱に基づいて構築されなければならない。

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第一に、標的を絞る必要がある。この作戦は、制裁対象のロシアの事業体や影の船団、不正な海運慣行、無保険または保険不足の船舶、偽造された貨物書類、安全基準を満たさない船舶、制裁回避に関与する船舶に焦点を当てるべきだ。合法的な海運を妨害してはならない。

第二に、連合体制に基づくものでなければならない。正当性を高め、執行力を向上させ、欧州の安全保障に対する負担を同地域がより多く負うべきだという原則を強化するためには、欧州諸国の参加が不可欠だ。同地域のNATOとEUの加盟国は、バルト海で直接的な安全保障上の利益を有しており、法執行機関や沿岸警備隊、港湾、監視システム、情報収集能力などを活用することができる。バルト海で同盟国の存在感を高め、重要施設を保護するために設立されたNATOの「バルト海警備団」は、空軍と海軍の広範な執行活動に向けた既存の枠組みを強化する。

第三に、法的な規律が守られなければならない。この作戦は全面的な封鎖ではなく、港湾国による管理、制裁の執行、関税法、保険要件、環境保護、安全検査、船籍国間の連携に依拠すべきだ。

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第四に、選択肢を確保するため、段階的かつ撤回可能なものでなければならない。連合軍は、監視の強化、船舶の帰属情報の公表、船舶追跡から開始することができる。その後、入港拒否、保険審査、船主や運航者への制裁、サービス提供者に対する制限、不正行為を行う船舶に対する取り締まりへと段階的に措置を強化していくことができる。もしロシアが真剣な交渉に入り、検証可能な条件を順守すれば、段階的に措置を停止していくことも可能だ。

第五に、明確な外交目標と結び付けられなければならない。作戦の目的は、ロシアに対し、ウクライナとの和解交渉を迫ることにある。作戦の緩和は、攻撃の停止や検証可能な停戦の受け入れ、信頼できる枠組みに基づく軍隊の撤退、拉致された民間人や子どもたちの返還、ウクライナの主権の尊重、同国の復興や賠償への参加といった具体的な措置を条件とすべきだ。

同盟国間の負担分担を交渉の切り札に

トランプ大統領にとって、負担分担の徹底を図る作戦は、待望の成功事例となるだろう。欧州各国政府は単に米国の戦略を支持するだけでなく、港湾国管理、制裁の執行、保険審査、関税法、環境検査、航空・海上監視を通じて実行を支援することになる。そうすることで、米国の主導権と欧州の負担分担を示すことができ、ロシアの侵略に対抗する上で、NATOとEUがより大きな責任を担うことになる。

バルト海はこの戦略に極めて適している。NATOの地域的な立場は強固であり、EUの規制力は大きい。ロシアは地理的に制約されている。同国の影の船団は保険や港湾当局、安全、環境、制裁といった圧力に弱い。この作戦は全く新しい枠組みを必要とするのではなく、既に進行中の行動を基盤として展開されることになる。

ウクライナがロシアに対し、前線から遠く離れた位置にある製油所や飛行場、防空施設、後方支援や指揮の拠点を防衛させることで、同国の広大な領土を逆手に取っているのと同様に、バルト海での圧力作戦は、ロシアの輸出ルートが集中し、監視が可能で国際サービスに依存している海上で、地理的条件をロシアに対する攻撃材料として利用することになるだろう。

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翻訳・編集=安藤清香

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