欧州

2026.06.09 07:30

ロシアに戦争終結を迫るにはバルト海から圧力をかけよ

バルト海に注ぐロシアのネバ川に停泊する北極海向け多目的砕氷巡視船「イワン・パパニン」。2024年7月20日撮影(Getty Images)

戦略的なレベルでは、ウクライナ軍のロシア国内への長距離巡航ミサイル攻撃により、かつては安全な射程圏外にあると考えられていた資産をロシアが防衛せざるを得ない状況に追い込んでいる。無人機(ドローン)と呼ばれることが多いが、より正確には低コストの巡航ミサイルと理解されるべきウクライナの長距離航空攻撃システムは、占領下のクリミア半島からロシア国内に至るまで、製油所や石油輸出施設、飛行場、兵器工場、後方支援拠点、指揮統制施設、防空システムなどを攻撃してきた。ウクライナ軍の攻撃はロシアに物的損害を与え、収入源と後方支援網を混乱させ、ロシア国内に心理的・政治的圧力を加えている。

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ウクライナ軍は単に陣地を守ろうとしているだけではない。ロシアが戦闘を継続する上で要となる、いわば重心を構成する主要システムを攻撃しているのだ。

海上領域への圧力拡大

バルト海での圧力作戦は、その論理を海上領域へと拡大するものだ。ウクライナがロシアの戦域やエネルギー施設、そして戦争を支える産業基盤を弱体化させているのであれば、米国とその同盟国は、戦争の資金調達と維持を支える海上輸送ルートに対しても圧力を加えなければならない。

トランプ大統領によるイランへの圧力作戦は、強制外交の基本原則を浮き彫りにしている。すなわち、相手国の敵対行為が海上輸送による収入に依存している場合、海上で影響力を行使することで、敵の戦略的判断を変えることができるという点だ。米国はその教訓をロシアに対しても適用すべきだ。

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プリモルスクやウスチルガといったロシアのバルト海沿岸の港は、同国の石油輸出にとって重要な拠点だ。ロシアの軍事機構は現金で動いており、石油輸出はその資金の流れの中核を成している。ウクライナによる長距離攻撃作戦は、製油所、輸出ターミナル、石油施設、そしてそれらを結ぶ物流網に経済的打撃を与えることの戦略的価値を既に実証している。バルト海における強制作戦は、この論理を連合軍の手段へと転換するものであり、航空・海上監視、港湾当局、保険審査、制裁措置の執行などを活用し、ロシアの海上輸送収入を不安定化させるほか、費用を増加させ、混乱の影響を受けやすくするものだ。

その目的は、不必要な法的・政治的リスクを招くことになるロシアの港湾に対する正式な封鎖を宣言することであってはならない。米国はこの作戦を封鎖と表現すべきでもない。より適切で正当性のある表現は、「バルト海における航空・海上安全保障および制裁執行への取り組み」だ。

この作戦は、ロシアによるウクライナ侵攻を支える船舶や貨物、サービス提供者、保険会社、船主、運航会社、金融網を標的とするもので、中立国の船舶を攻撃したり商業活動を停止させたり、ロシアの民間人を飢餓に陥れたりすることを目的とするものではない。制裁を執行し、回避行為を摘発し、費用を増大させ、ロシアに侵略行為を継続するとどのような結果が待ち受けているのかを知らしめるための、焦点を絞った取り組みとなる。

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翻訳・編集=安藤清香

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