暗号資産

2026.06.09 11:30

160億円超のビットコイン、米ストラテジーが購入──先日の売却から一転

Timon Schneider/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

Timon Schneider/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

ビットコインの機関投資家として世界最大の保有量を誇るストラテジーは米国時間6月8日、約1億ドル(約160億円。1ドル=160円換算)相当のビットコインを新たに購入したことを開示した。同社は先日、ビットコインの売却を発表したばかりだった。

ストラテジーが8日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した書類によると、同社は先週、1550ビットコインを総額1億130万ドル(約162億800万円)、平均購入価格6万5332ドル(約1000万円)で購入した。その購入原資は1億8100万ドル(約289億6000万円)の株式売却によって調達されている。

この約1週間前、ストラテジーは総額約250万ドル(約4億円)の配当原資を調達するために32ビットコインを売却したと発表していたばかりだった。同社がビットコインを売却するのは2022年12月に続いてこれが2回目のことであり、ビットコイン価格が2024年10月以来で初めて6万ドルを割り込むなか、暗号資産市場の弱気心理を増幅させる結果となっていた。

ビットコイン価格は8日早朝に一時6万3926ドルまで上昇し、前週の金曜日に記録した直近安値(5万159ドル)から最大で8%の反発を見せた。

ストラテジーの株価も8日朝の時点で3.8%高となったものの、過去1カ月間では33%以上も急落している。

ストラテジーの開示によると、同社は現在84万5256ビットコインを保有しており、開示時点における市場価値で換算すると、その価値は総額639億ドル(約10.22兆円)にものぼる。1トークンあたり約7万5680ドルに相当する。

かつてビットコインとイーサリアムに次ぐ世界第3位の暗号資産であったカルダノのADA(エイダ)コインは、8日に0.16ドル弱の安値まで下落し、2020年12月以来の低水準を記録した。カルダノが主催する予定だった大型サミットが中止されたことを受け、ADAの下落率は過去1週間で26%以上に拡大している。

ストラテジーによるビットコイン売却を受けて、暗号資産市場には悲観論が広がった。ドナルド・トランプ大統領が米国を「世界の暗号資産の首都」にすると掲げ、暗号資産関連の規制緩和を推進したことなどをきっかけに、ビットコイン価格は2025年7月までに12万ドルを突破し、そのわずか数日後には12万2000ドルに達していた。しかし、ビットコイン上場投資信託(ETF)からの資金流出や利下げ観測の後退などを背景に、ビットコイン価格は2025年10月にピークに達して以来、下落を続けている。さらに、先週発表された予想を上回る雇用統計によって利上げの観測が一段と高まったことも、ビットコインの売りを加速させる要因となった。

1989年にストラテジー(当時の社名はマイクロストラテジー)を設立したマイケル・セイラーは、8日時点で推定38億ドル(約6080億円)の資産を保有している。ITバブル崩壊時にその資産は激減したものの、手元資金でビットコインを購入する方針へと転換したことで、セイラーは再びビリオネアの仲間入りを果たした。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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