OTPPは過去に暗号資産関連の投資で損失も
OTPPは過去に投資で損失を出した経験もあり、特に有名なのが、2022年に破綻した暗号資産取引所「FTX」への巨額投資だ。同基金はFTXに9500万ドル(約152億円)を投じていたが、同社が破産を申請した後、投資価値をゼロに減損処理すると発表した。もっとも、当時は「(この損失が)年金計画に与える影響は限定的である」とされていた。
スペースXの企業価値
スペースXは米国時間6月12日にナスダック市場への上場を予定している。しかし、一部のアナリストからは同社の企業価値が過大評価されているとの指摘も出ている。例えばモーニングスターの分析では、スペースXの実際の価値はIPOで目標とする時価総額の半分にも満たないとされている。
フォーブスの試算によると、8日朝の時点におけるマスクの資産額は7963億ドル(約127.41兆円)に達しており、2位と約5000億ドル(約80兆円)もの大差をつけて世界一の大富豪の座を固めている。マスクはスペースX株の約41%、テスラ株の12%を保有しているとされる。もしスペースXが1兆7500億ドル(約280兆円)の時価総額で上場すれば、マスクは史上初の「トリリオネア(総資産1兆ドル以上の大富豪)」になる可能性がある。
OTPPがスペースXに投資した経緯
スペースXがxAIを買収するはるか前、同社が衛星通信サービス「スターリンク」の衛星打ち上げを開始したばかりだった2019年に、OTPPはスペースXへの大型投資を発表した。この投資は、同基金がレイターステージのテック企業に投資する目的で設立した「Teachers’ Innovation Platform」(現在の名称は「Teachers’ Venture Growth」)による第1号投資案件であった。
この際、OTPPはスペースXを「世界をリードする民間の宇宙開発企業」と称賛し、スターリンクの展開にあたって協力することを楽しみにしていると述べていた。その後も同基金はスペースXへの追加投資を重ねているが、グローブ・アンド・メール紙によると、具体的な投資回数や現在の保有株の価値は明らかになっていない。


