海外

2026.06.13 15:00

AI企業上場ラッシュで暴かれる、160兆円評価と巨額赤字の真実

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既に上場している大手テック企業の動向は、別の側面を浮き彫りにしている。アルファベットは今年6月、新株発行を通じて847億5000万ドル(約13兆6000億円)を調達した。これは米国史上最大規模のエクイティ・ファイナンスとなる。同社は今年初めにも300億ドル超(約4兆8000億円超)の社債を発行したばかりだ。上場企業1社が、市場の強い需要を背景に公開市場から調達した資金は、世間の注目を集めるAIスタートアップのIPO予想調達額を上回る。アルファベットが年間数百億ドル規模の利益を背景に巨額調達をしたのに対し、これから上場するAIスタートアップたちは、黒字化に至るまでの数年間の赤字を埋めるために、同じ投資家に対して資金提供を求めることになる。

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この対比こそが、今の時代を象徴している。公開市場には資金の厚みと高い流動性があり、企業はわずか1週間で数百億ドル規模の資金を調達できる一方、投資家は翌朝にも保有株を売却できる。これに対し、プライベートマーケットは、内部関係者が評価額を定める資金調達ラウンドを通じてAI企業を支えてきた。そこには日々の株価による評価はなく、投資家にとってもエグジットの機会は限られていた。AI企業がこれまでプライベートマーケットに依存してきたのは、説明責任をそれほど求められなかったからだ。IPOへの移行は、流動性が高まる一方で、公開市場による厳しい監視を受け入れることを意味している。

公開市場とプライベートマーケットという2つの巨大な資金のプールが同時に存在していることこそ、米国金融市場の最大の強みだ。プライベートマーケットは、現在のAIブームを築き上げた、長期的な視点を持つハイリスクのエクイティ資金やクレジットを供給してきた。そして今度は公開市場が、他のどの金融システムも及ばない規模で、それらの資金をリファイナンスする受け皿になろうとしている。筆者は以前、AIブームはドットコムブームを想起させる一方で、その再来ではないと指摘した。AI企業によるIPOラッシュの成否を左右するのは、彼らを上場に値する存在へと押し上げたテクノロジーそのものではなく、開示される申請書類の内容と、それを投資家がどう評価するかにかかっている。

forbes.com 原文

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編集=朝香実

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