サイエンス

2026.06.09 07:00

科学論文で引用の捏造が急増 AIの「ハルシネーション」が主因か

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背景には科学誌による質の管理問題も

引用の捏造という問題はなくなりそうにない。それどころか、AIを頼りにして論文を執筆する研究者がますます増え、利益追求型の粗雑な科学誌が引き続き出現するにつれて、問題は悪化するおそれが強い。利益を上げることを目的としながら、どういうわけか科学者には無償で査読を求める科学誌が乱立するようになった結果、論文の質の管理が大きな問題になっている。多くの著名な研究者は、こうした雑誌の査読者や編集委員を務めたがらなくなっている。率直に言って、感謝されることもなければ、通常は報酬もいっさい支払われない仕事だからだ。

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AIによる捏造への対策としてひとつ考えられるのは、やはりAIの活用だろう。不正確な情報、とりわけAIによって生成された内容を見つけ出すAIツールを開発する。そう、科学論文の発表の場は今後、“機械同士の戦い”のような様相を呈することになるかもしれない。もっとも、科学出版社側がこうしたAIツールに投資する用意があるのかどうか、するとしたらいつになるのかは判然としない。さらに言えば、この種のAIツールがどのくらい正確なものになるのかも不明だ。

それでも、科学出版の世界は何らかの大きな見直しを迫られる公算が大きい。多くの出版社は学術誌を「金のなる木」とみなしてきた。その結果、論文掲載費として研究者に数千ドルの請求をする学術誌が急増している。同時に、筆者も本誌で指摘してきたとおり、米国では科学研究費がチーズをスライスするように次々と削減されている。そのせいで研究者たちは、掲載料を支払うための資金をどんどん失っている。また、科学誌のために無償で奉仕する時間的余裕もだんだんと奪われている。

こうした状況が続けば、さらに多くの研究者が手間を省き、自分でやる作業を減らしてAIに任せるようになるだろう。AIツールの正確性が十分に検証・確認される前ですら、こうした流れになっている。2003年のロマンティックコメディー映画のタイトルを借りるなら、「何かが変わらなくてはいけない(Something's Gotta Give)」状況だ。

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forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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