「異世界」からの脱出──米国と世界市場が求める日本アニメの新潮流

米ニューヨーク、2023年11月19日。ニューヨーク市のジェイコブ・ジャビッツ・センターで開催された「Anime NYC」2日目、『陰の実力者になりたくて! 2nd season』パネルに登壇し、話す中村浩史監督(Photo by Slaven Vlasic/Getty Images for AMC Networks)

アニメのアーカイブを掘り起こし、その先へ

影響力の大きいこの企業は、異世界の「後継」をどこに求めるべきか。Grand View Researchの2024年レポートによれば、世界で最も売れているマンガは、少年作品が大半を占めた。同レポートは、オリコン、ComiXology、Publishers Weekly、Book Depository、Retail Reportなど、世界の情報源から集計したデータを含んでいる。

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『ブルーロック』、『呪術廻戦』、『【推しの子】』など、アニメ化が継続中、または直近でアニメ化された作品が上位に並んだ。だが、それ以降の40タイトルに目を向けると、その多くは2000年以前に刊行されたマンガだった。

『ゴルゴ13』や『ドラゴンボール』のように米国の視聴者にもおなじみの作品がある一方、英語では入手不可能で、近年のアニメ化もない作品もある。たとえば井上雄彦の『バガボンド』、田中宏の『BADBOYS』、森田まさのりの『ろくでなしBLUES』などだ。

それでも、既存作品の獲得競争は激しく、追いかけられるブランドやフランチャイズの数には限りがある。アニメ化可能なIPのプールが縮小しているという見立ては、甲斐谷忍の『LIAR GAME』や篠原千絵の『天は赤い河のほとり』など、往年のマンガタイトルが相次いでアニメ化されている理由の1つだと考えられる。

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KADOKAWAもこの潮流を捉え、過去にアニメ化されたシリーズであってもリブートの機会を見出し、活用している。同社は、古く伝説的なタイトルに「周年戦略」を適用し、「蓄積したIPを再活性化」することで多様化と拡大を図る方針だ。

一方で、スタジオとしての知名度を高めるため、オリジナル作品を制作する意欲も示している。「ローカル発のオリジナルIPの創出」や、コンテストなどを通じた世界のクリエイターの発掘がその一環である。KADOKAWAはキネマシトラスと組む新作オリジナルアニメ『さよならララ』にリソースを投じている。

シカゴのAnime Centralでのパネルにおけるオンライン・会場双方での大きな反響を受け、『ララ』は今年のAnime Expoでも米国でのプロモーションを継続する。

この点を踏まえれば、企業はフランチャイズが本来持つ勢いだけに頼るのではなく、常にアニメシリーズのグローバルなプロモーションを検討すべきだ。

日本国内で人気のシリーズの多くは海外で火がつかない一方で、バイラルになった『しかのこのこのここしたんたん』のように、口コミで広がる作品もある。プロデューサーの川村亮馬は、「赤いN社」に対し、オリジナルSFアニメ『ムーンライズ』を宣伝してほしいと懇願する投稿をしたことでも知られる。

結局のところ、WIT STUDIOのそのシリーズは、2025年に公開された200本超のアニメ作品の中に埋もれてしまった。『ララ』と同程度のプロモーションを受けていれば、『ムーンライズ』はシーズンのヒット作になり得たはずだ。

まったく新しいオリジナルストーリーにも、古いマンガや小説にも明確な機会がある。だが、かつては「確実に当たる」ジャンルと見なされた異世界への過度な依存は、すでに役目を終えた。

forbes.com 原文

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