ビットコインと暗号資産は大規模な売りに見舞われた。ビットコイン価格は、ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスに返り咲く前以来の水準まで急落した。市場全体から2兆ドル(約320兆円。1ドル=160円換算)が消失したのだ。
そんな中、ビットコインのトレーダーは、Strategy創業者のマイケル・セイラーが、同社が保有する520億ドル(約8.32兆円)相当のビットコイン(の一部)をさらに売却したのか、それとも買い戻したのかを明かす事態に身構えている。
急落の主因は、ファンダメンタルズでなく短期的な信認ショックとの分析
「今回の売りは、ビットコインの長期的なファンダメンタルズの崩壊によるものというより、セイラーとStrategyの売却をめぐる短期的な信認ショックによるものに見える」。暗号資産運用会社21シェアーズのシニア暗号資産リサーチ・ストラテジスト、マット・メナはメールでそうコメントした。
「6万ドルを維持できなければ、ビットコインは5万5000ドルのサポートライン(下値支持線)を再び試す可能性が高い」。
Strategyが32ビットコインを4億円で売却、2022年以来初めて
セイラー率いるStrategyは、ビットコインを一部売却するとの約束を実行に移し、250万ドル(約4億円)相当の32ビットコインを手放した。セイラーは、同社の物議を醸す高利回りの月次配当株「ストレッチ」を「世界最高の信用商品」にする計画の一環だと主張している。
Strategyがビットコインを売却したのは2022年12月以来初めて。当時は、将来の利益と相殺できる税務上の損失を確保するために約700ビットコインを売却し、その数日後に800ビットコインをを買い戻していた。
「『絶対に売らない』という信条に反してStrategyが32ビットコインを売却したことで、売却規模が小さかったとしても不確実性が生じている」。ルートストックラボで機関投資家部門責任者を務めるリチャード・グリーンはメールでそのように説明した。
配当のためにビットコインを売る計画、セイラーが5月に説明
Strategyは先月、一部のビットコインを売却する可能性に言及していた。配当支払いの約束を果たすためであり、同時に、将来売却が必要になっても買い手はいると市場に示す狙いもあった。
「市場に免疫をつけ、我々が実際にやったというメッセージを送るため、配当を支払う目的でビットコインをいくらか売ることになるだろう」。セイラーは5月、同社の第1四半期決算説明会でこう語り、同社は「信用でビットコインを買い……値上がりさせ、その後……配当を支払うためにビットコインを売る」計画だと付け加えた。



