気候・環境

2026.06.09 18:00

2050年にカカオ適地の半分が消失、チョコレート高騰の裏にある危機

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チョコレート業界がよりサステナブルになろうとする一方で、カカオの生産は不安定さを増している。

この数年、干ばつや季節外れの雨、強風で世界の主要なカカオ生産地域で収穫量に影響が出ている。2024年の深刻な供給不足から作物価格はいくらか落ち着いたものの、市場の根本的なひっ迫を反映し、チョコレートの価格は高止まりしている。

一方でチョコレートブランドは、サステナビリティやエシカルソーシング(倫理的調達)、トレーサビリティにより注力することで、透明性の向上を図っている。背景には、より公正な労働慣行や業界を横断した説明責任を重視する消費者の増加がある。

その結果、サステナビリティの見栄えは改善する一方で、サプライチェーンの中核は気候要因によって不安定なままだという、世界のチョコレート市場における重大なミスマッチが生じている。

気象学の専門誌『アグリカルチュラル・アンド・フォレスト・メテオロジー(Agricultural and Forest Meteorology)』が2025年3月に発表した論文によると、気候変動によりコートジボワールやガーナ、ナイジェリア、カメルーンといった西・中部アフリカの国々では、2050年までにカカオ栽培に適した土地の最大50%が失われるおそれがあるという。

カカオが天候変化の影響を受けやすくなるなか、サステナブルなチョコレートだけでは安定化も根本的な気候問題の解決もできない。優先すべきはレジリエンスである。

気候圧力はカカオにどう影響するか

カカオは世界でも屈指の、気候に敏感な作物である。不規則な降雨パターン、極端な高温、風の条件の変化に大きな影響を受ける。

この作物は主に、コートジボワール、ガーナ、エクアドルなどの「カカオベルト」と呼ばれる赤道付近の開発途上国において商業規模で栽培されている。18〜30℃の安定した気温、肥沃な土壌、均等な降雨といった、非常に限定的で緻密な条件が求められる。

しかし近年、これらの地域の一部では極端な気象現象の発生頻度が高まっている。

2023年には、コートジボワールやガーナ、ナイジェリア、カメルーンといった西アフリカのカカオ生産大国で、非常に大量の降雨と洪水が発生した。その結果、カカオのさやが腐敗し、浸水によりカカオ腫枝ウイルス(Cocoa Swollen Stem Virus)やブラックポッドなどの病害が広範囲で蔓延した。

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