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2026.06.08 16:00

FIFAワールドカップは暑さに勝てるのか?──迫る「4つの課題」

映画『エリン・ブロコビッチ』。主演はジュリア・ロバーツ。Photo By Getty Images

審判やファンも危険──暑さは米国で最多の死者を出す

しかし、問題は選手だけではない。審判も同様に暑さにさらされる。選手向けに設計された多くの対策は審判にも適用されるだろう。一方で、ファンも潜在的な問題を抱えている。人々は暑さを過小評価しがちだが、米国では暑さが毎年、ほかのどの気象現象よりも多くの人命を奪っている。暑さに関する警報は、竜巻やハリケーンの警報ほど切迫感を持って受け止められていない。WBGTが危険な水準にあっても、人々は芝刈りをしたり10kmを走ったりするだろう。

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特に懸念されるのは、ワールドカップの試合では過度の飲酒が予想されることだ。これは極端な暑さの中でリスクをいっそう高める。WWAは「会場が屋内であるかどうかにかかわらず、パブリックビューイング、屋外での集まり、祝賀イベント、その他大規模なサッカー大会に伴う社会的な参加活動において、危険な状況は続く」と指摘している。

見落とされがちなイベントスタッフのリスク、30年の気候データで検証

見落とされがちなもう1つのリスク集団は、イベントスタッフだ。「サッカー選手はこのイベントの主役だ」とジョージア大学の気候学者アンドリュー・グルンドスタインは指摘する。「スタッフは、これらのイベントが円滑かつ効果的に運営されるために不可欠な存在だ」と彼は付け加えた。グルンドスタインと共同研究者らは、2026年の論文でこの問題を検証した。「我々の研究では、FIFAの各開催都市における30年分の気候データを調べ、イベントを支援・運営するスタッフへの暑熱リスクを検討した」と彼はメールで私に語った。

「都市によってさまざまな暑熱リスクがあることがわかった。リスクは気候だけでなく、作業の性質(軽作業、中程度、重労働)、休憩回数、そしてスタッフが現地の気候に慣れているか(順化しているか)にも左右される」とグルンドスタインは説明した。選手や審判と同様に、適切な休憩、水分補給、日陰の確保を推奨している。「涼しい気候から来たスタッフには、現地の環境に適応するための時間を与えるべきだ」と彼は述べた。

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大都市のヒートアイランド、データセンターの廃熱も一因に

ワールドカップの会場の大半は大都市に位置している。我々の研究が示しているように、都市はヒートアイランド現象により、周辺の農村部と比べて通常より多くの熱を保持している。

ヒートアイランド現象は、熱を吸収する建材、植生の不足、都市内で発生する廃熱によって引き起こされる。ワールドカップ期間中に都市の人口が膨れ上がれば、交通量、空調設備、コンピューター関連の活動が増加することを意味する。アリゾナ州立大学のデービッド・セイラーと共同研究者らによる最近の研究では、新たに増加するデータセンター群が廃熱に寄与していることが明らかになった。

2022年、私はCOVID-19による活動停止期間中に交通量からの廃熱が減少したことで、都市部の気温上昇が抑制されたことを報告した。ワールドカップ開催都市では、廃熱の増加によりおそらく逆の効果が生じるだろう。下のグラフィックは、米国で最も極端なヒートアイランド現象が見られる場所を示している。

WWAは全試合がWBGT「26」以上のもと開催と予測、9会場は冷房なし

WWAの研究は、統計的帰属手法に基づき、2026年ワールドカップの全試合が少なくとも26以上のWBGT条件下で行われる可能性が高く、そのうち9会場には冷房設備がないと結論づけた。1994年には、そのような条件下で行われた試合は21試合のみだった。「空調完備のスタジアムは試合会場内での暑熱曝露を軽減できるかもしれないが、北半球の夏にサッカーを安全に楽しみ続けるためには、適応策だけでなく、化石燃料からの脱却に向けた迅速な緩和努力も必要だ」とWWAは主張している。

私が以前書いたように、気候変動により冬季オリンピックの開催可能な会場は限られてきている。FIFAワールドカップについても同様の議論が成り立つ。NOAAの今後数週間の見通しでは、平年を上回る気温が予想されている。

forbes.com 原文

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