欧州

2026.06.08 10:00

100km超飛ぶ謎のFPVクワッドコプターをウクライナが投入 中距離攻撃「大群」化の可能性

機体上部に固定翼を追加したウクライナのクワッドコプター型FPVドローン(Xで共有された動画から)

機体上部に固定翼を追加したウクライナのクワッドコプター型FPVドローン(Xで共有された動画から)

ウクライナの有力なドローン(無人機)資金調達者で、ドローン戦に関して国防省に助言も行っているセルヒー・ステルネンコは最近、X(旧ツイッター)への投稿で、自身の秘密プロジェクトで開発されたドローンの成果をたたえた。

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「102km──。皆さんのクワッドコプター(回転翼4枚の回転翼機)型FPV(一人称視点)ドローンが、母機を使わずに目標を攻撃した距離です。さらに深くへ!」

ステルネンコが共有した動画には、そのドローンが前線のはるか後方でロシア軍のブハンカ補給バンを攻撃する様子が映っている。ほかにも多くのブハンカが同様のFPVドローンによって破壊されてきたもようだ。

携行可能な兵器の射程として102kmという数字は驚異的であり、クワッドコプターではなおさら驚くべき達成だ。これは本当に可能なのか。簡素なFPVドローンはどのようにして戦略兵器へと進化したのか?

クワッドコプター型FPVドローンという「偶然の産物」

マルチコプター(回転翼3枚以上の回転翼機)型ドローンはもともと、徘徊型弾薬のベースとして最適なものと見なされていたわけではない。というのも、回転翼機は空中にとどまるだけでもエネルギーを大量に消費するからだ。それに対して、固定翼機ははるかに少ないエネルギーで飛行でき、まったく推進力を使わずに滑空することも可能である。空力性能も格段に優れている。

単純な比較をすれば、C-27Jスパルタン輸送機CH-47チヌーク輸送ヘリコプターとほぼ同量の貨物を運搬できるが、速度は2倍ほど速く、航続距離は4倍ほど長い。それでいてチヌークよりも燃料消費量は少なく、運用コストも安い。どちらのほうが事故発生率が低いかも想像できるだろう。

そういうわけで、ホバリング(空中静止飛行)や垂直離着陸が必須の要件でない限り、普通は固定翼機が選ばれる。実際、どの航空機追跡サイトを見ても、空にあふれているのは固定翼機であり、ヘリコプターはごくわずかだ。

この戦争以前には、徘徊型弾薬や片道攻撃ドローンもほぼ例外なく固定翼タイプだった。米国のスイッチブレードしかり、ロシアのランセットしかり。「イスラム国(IS)」を名乗る過激派組織が即席攻撃ドローンとして用いていたのも、「スカイウォーカーX8」という市販の中国製固定翼ドローンだった。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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