今後を展望すれば、100km程度がFPVドローンで攻撃できる距離の限界と考えるのは間違いだろう。現在の追加固定翼はまだ「バージョン1.0」にすぎず、改良を重ねれば大幅な性能向上が実現する可能性がある。また、バッテリーの改良や、上昇気流のような自然現象を活用できるソフトウェアの導入など、ほかの面でも技術開発が進めば、射程はさらに何倍にも伸びるかもしれない。
FPVドローンの到達距離はわずか4年の間に、5kmから20kmへ、そして100kmへと伸びてきた。さらに遠方まで届くようになれば、大量投入されるFPVドローンは大砲やロケット砲などの射程をはるかに超え、これまで安全と考えられてきた地域の施設を攻撃可能な真の戦略兵器になるだろう。
現状では、前線部隊をジャマー(電波妨害装置)や散弾銃、迎撃ドローン、防護ネットといった対ドローン手段で守ることに重点が置かれている。しかし近い将来、これは第二次世界大戦中のマジノ線のように時代遅れのものに見え始めるかもしれない。FPVドローンが後方地域を自由に飛び回り、燃料や糧食、弾薬の補給を遮断するようになれば、前線部隊は敵ドローンに一機も遭遇しなくても撤退を強いられる可能性がある。
FPVドローン技術は急速に進歩している。戦略や戦術がそれに後れをとらないようにすることは難題になるかもしれない。


