整合が取れ、オーナーシップもあるがエネルギーが欠けているなら、組織の受動的な「ファン」がいるだけである。逆に、エネルギーとオーナーシップは十分でも整合がまったくないなら、ただ忙殺されるだけの組織、あるいは制御不能な一匹狼の集団となり、解決する以上の問題を生み出す。
実践への応用:ASOSの事例
これは単なる理論ではなく、極めて実践的な青写真である。オンラインファッション小売業のASOSは最近、まさにこのモデルを用いて、厳しく変化の速い小売市場を乗り切り、パンデミック後の基盤を取り戻した。
誰かのようになろうとするのではなく、ASOSは最大の資産である「人」に活路を見いだした。彼らは、OKR(Objectives and Key Results)を用いてオーナーシップを醸成し、リーダー層を事業の最重要課題に沿って再編した。さらに、新たな具体的なリーダーシップ・フレームワーク「The Compass」を立ち上げ、マネジャーがチームを整合させ、適切なレベルのエネルギーを注入する方法を明確に示した。これをカルチャー・カウンシルや再設計したエンゲージメント調査で裏打ちすることで、HPCの概念を事業のDNAに直接織り込んだのである。
リーダーシップの教訓
カルチャーは強情な存在である。動きは速く、自らの判断に自信を持つ。その推進力は驚異的なスピードと確信を生むが、同等の規律と異議申し立てがなければ、組織はあっという間に軌道を外れかねない。
優れたリーダーは、人々にとって最善を望みつつ、大きな目標を達成する必要性も認識している。朗報は、これらが相反する力ではなく、互いを可能にする関係にあるという点だ。組織のエネルギーを賢く使い、前進の道筋に人を整合させ、そこへ到達するために必要なオーナーシップを発揮できるよう権限を与えることである。
そこで、いま自社を見つめるあなたに問いたい。あなたのカルチャーでは、整合、オーナーシップ、エネルギーは等しくバランスしているだろうか。それとも、制御不能な一匹狼と受動的なファンを生み出すリスクを抱えているだろうか。


