スポーツ

2026.06.07 14:00

腕が短いとNBA入りは難しいのか データが示す「常識の変化」

stock.adobe.com

stock.adobe.com

なぜウィスコンシンの元ガード、ジョン・ブラックウェルはNBAドラフト候補としての届け出を取り下げ、デュークへの編入という当初の計画を貫いたのか。

その判断は、上位指名は難しいというフィードバックを受けたことが背景にあったのかもしれない。また、大学バスケットボールの新時代においてNIL(氏名・肖像・類似性)報酬や直接支払いで得られる収入が、何らかの影響を及ぼした可能性もある。だが、ブラックウェルを異色のNBA選手にするであろう数字の組み合わせが1つある。そして1年ほどすれば、おそらく現実にそうなる。

その数字とは、腕の長さ(ウイングスパン=両腕を広げた長さ)と身長の関係だ。

バスケットボール選手が背が高い傾向にあることは誰もが知っている。NBA選手の平均身長は6フィート7インチ(約201センチメートル)だ。米国人男性の平均身長は5フィート9インチ(約175センチメートル)である。余談だが、オランダ人男性の平均身長は6フィート(約183センチメートル)を超えるにもかかわらず、StatheadのNBAデータベースに登録されているオランダ出身選手はわずか10人。最も有名なのは「ダンキング・ダッチマン」の異名を持つ7フィート4インチ(約224センチメートル)のリック・スミッツだ。残り9人のうち4人も7フィート台で、さらに2人が6フィート11インチ(約211センチメートル)だった。

Statheadのデータベースによれば、身長が5フィート9インチ以下でNBAでプレーした選手は29人しかいない。2004-05シーズン以降に限ると、平均身長と同等かそれ以下の選手でリーグにデビューしたのは8人だけである。

もう1つの平均がある。一般的な人間では、腕の長さと身長の比率はおよそ1対1だ。腕が長いことはバスケットボールでは明らかに有利で、リバウンド、ブロック、スティールを積み上げる助けになる。だが、腕の長さは背の高さの副産物にすぎないのではないか。身長6フィート9インチ(約206センチメートル)で腕の長さも6フィート9インチの選手のほうが、身長6フィート5インチ(約196センチメートル)で腕の長さ6フィート9インチの選手より、NBAの有望株としてはあり得るだろう。

では、腕の長さの測定値が身長を下回るNBA選手の割合を推測するとしたら、どれくらいだろうか。40%だろうか。それとも25%だろうか。

実際はそれよりはるかに少ない。

2013年に出版された『The Sports Gene』は、一部の人がアスリートになるうえで優位に立つ生理学的理由を探った本だが、著者デイビッド・エプスタインが当時データを確認した時点で、NBA全体で腕の長さが身長を下回る選手は2人しかいないと結論づけた。1人は7フィート6インチ(約229センチメートル)のヤオ・ミンで、その身長を考えれば腕の長さの議論は意味をなさない。もう1人はシャープシューターのJJ・レディックである。

次ページ > 我々は腕の長さと身長との差がマイナスの選手たちの黄金時代を目撃しているのかもしれない

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事