今回の「とっておき」はもうひとつある。地平線近くに「東方最大離角」を目前にした水星が見えるのだ。太陽に最も近く薄明の短い時間しか観測できないため「すばしっこい惑星」の異名をとる水星は、ちょうど見つけやすい時期にある。夜の帳が下りるとともに木星と金星の右下に姿を現し、宵闇が濃くなるにつれて地平線に沈んでいく。

金星と木星だけじゃない見どころ
残照が消えゆく西の低空に浮かぶ3つの惑星を見つけるのに必要なのは、肉眼だけだ。金星と木星は、ふたご座のそばに位置し、ちょうど「兄弟星」のカストルとポルックスの左側に並んでいる。双眼鏡で覗くと、隣り合う2つの惑星の鮮明な輝きを同時に観察できる。
小型望遠鏡を使えば、より細密な眺めを楽しめる。木星の周りには4つの大きな衛星のいくつかが、針の先ほどの光の点として見えるだろう。金星は一部が欠け、半月に近い形に見えるはずだ。

観測の「窓」を広げてみよう
金星と木星が最接近するのは6月9日だが、14日までは両惑星の見かけの距離が5度以内にとどまるため、観測のチャンスは長めにある。また、16日には糸のように細い月齢1の「二日月」が水星の右下に現れ、17日には月齢2の三日月が、18日には月齢3の細い月が惑星たちと共演する。絵のように美しい光景となるだろう。

「合」を過ぎると、木星は夜ごと地平線に向かって高度を下げていく。一方の金星は西の空で今年最も高く昇り、輝きをいっそう増して、夏の間ずっと日没後の宵の空に君臨する。


