マッコーリーのレポートによれば、GLM-5.1を活用したAIエージェントは、わずか30秒以内に洗練されたウェブサイトを構築できるという。チャイは、ZhipuのモデルがMoonshot AIの「Kimi」やアリババグループのモデルと肩を並べる、中国トップクラスに到達したと評価している。6月2日に証券取引所へ提出された書類によると、同社はAI研究開発をさらに強化するため、中国版ナスダックと呼ばれる上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板」で最大3880万株の新株を発行し、少なくとも22億ドル(約3520億円)の資金調達を目指している。
「Zhipuはこの数ヵ月間で、LLM(大規模言語モデル)の性能を飛躍的に向上させ、グローバルなAI開発競争においてトップクラスの地位と国際的な評価を確立した」とチャイは語る。「とりわけ推論やコーディングの能力は際立っており、Claudeのような世界のリーダーに迫っている」。
昨年のZhipuの売上高は、前年比132%増の7億2430万元(約171億円)に達した。一方で、研究開発への投資が響き、純損失は約60%増の47億元(約1110億円)へと拡大している。同社は、処理したデータ量を示す「100万トークン」単位の従量課金モデルを採用している。光大証券国際の証券ストラテジスト、ケニー・ンは、同社モデルの普及加速を背景に今後3年間で売上高は少なくとも年率100%のペースで成長すると予測する。同社は、今年4月にはモデルの利用料金を少なくとも8%値上げした。これは30%の値上げに踏み切った2月に続き、わずか2ヵ月間で2度目の価格改定となる。
しかし、アナリストらは市場の熱狂が過熱気味であると警鐘を鳴らす。ZhipuやMiniMax Groupの株価は、1日のうちに10%以上変動することが珍しくない。投資家たちが業界のリーダーを見極めようと目まぐるしく資金を移動するため、AI関連株は投機的な売買の影響を受けやすい状況にある。
Zhipuの株価が急騰する中、光大証券国際のンは様子見姿勢を取ることを推奨している。同社株の目標株価を1300香港ドル(約2万6600円)に設定している86Researchのチャイも、現在の株価水準がかなり割高であるという見解に同意する。なお、6月2日時点のZhipu株は、1株1455香港ドル(約2万9700円)で取引されている。
「AIモデル開発企業は、ビジネスモデルもコスト構造も極めて新しい。そのため、既存企業と単純に比較することはできない」とチャイは指摘する。彼はまた、自身が設定したZhipuの目標株価は、2030年までの今後5年間にわたる成長を織り込んでいると説明する。一方で、巨額の研究開発投資が重荷となり、同社が今後3年間は黒字化を達成できない可能性があるとの見方を示した。


