宇宙

2026.06.08 10:30

木星の氷衛星エウロパ、水蒸気プルームの存在に疑問符 HST観測の再分析

木星の氷衛星エウロパの表面を縦横に走る亀裂や隆起帯や筋状溝を捉えた画像。NASAの木星探査機ジュノー(Juno)が2022年9月29日の接近通過観測時に搭載カメラのジュノーカム(JunoCam)で撮影(Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS. Image processing: Björn Jónsson (CC BY 3.0))

水蒸気プルームの証拠である可能性があると考えられていたのは、単なる統計的ノイズかもしれないというのだ。

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論文の筆頭執筆者で、スウェーデン王立工科大学(KTH)のロレンツ・ロスは「今回の再分析では、先行研究で当初99.9%だったプルーム存在の信頼度を検討した結果、90%未満に信頼度が低下した」として「これでは当時の先行研究による主張の確実性を裏づける証拠としては全く不十分だ」と説明した。

エウロパ・クリッパーが答えを見つける可能性

過去の研究結果が修正されたにもかかわらず、土星の衛星エンケラドスで観測されたのと同様の活発なプルームがエウロパにも存在する可能性があると、科学者は依然として楽観視している。また、木星の衛星イオでは二酸化硫黄を主成分とする劇的な火山性プルームが発生している。

NASAの無人探査機エウロパ・クリッパーが木星の周回軌道上から氷衛星エウロパの接近通過(フライバイ)観測を行う様子を描いた想像図(NASA/JPL-Caltech)
NASAの無人探査機エウロパ・クリッパーが木星の周回軌道上から氷衛星エウロパの接近通過(フライバイ)観測を行う様子を描いた想像図(NASA/JPL-Caltech)

水蒸気プルームが存在する確実度は低下したものの、エウロパの氷殻に走る亀裂を通って内部海の水が宇宙空間に流出する可能性は依然として残されているだろう。NASAの氷衛星探査機エウロパ・クリッパーなどの将来の探査機がこの疑問を最終的に解決するに違いないと、科学者は期待している。

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2024年10月に打ち上げられたエウロパ・クリッパーは2030年に木星系に到着する予定で、エウロパの氷殻や大気、内部に存在する可能性のある海を詳細に調査する見通しだ。一方、2023年4月に打ち上げられた欧州宇宙機関(ESA)の木星氷衛星探査計画(JUICE)探査機は2031年に木星系に到達予定で、約3年半の探査期間中にエウロパのほか、同じくガリレオ衛星であるガニメデとカリストを調査する。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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