しかし、利用率の高い層が必ずしも安全に使いこなせているわけではない。利用頻度が高まるほどリスクも顕在化するという皮肉な実態が見えてくる。毎日利用する「高頻度利用率」において、課長クラスは26.5%と全役職の中で最高を記録しているが、同時に「事故経験率」においても8.8%と最も高い数値を記録している。利用経験が豊富で業務に深く組み込んでいる層ほど、情報漏洩や誤情報の出力といった運用上のトラブルに直面する確率も上がっている。
このことから、生成AIは単にツールとしての導入率を競うフェーズではなく、組織内における日常業務への定着度合いや、安全な運用体制の構築を評価すべき局面に移行している。現場の一般社員へと生成AIを展開していくためには、管理職側から権限や活用ノウハウを移していくべきであり、研修の実施や具体的な利用場面の明確化、そしてテンプレートの共有などを通じて、組織全体の格差を解消していくことが、今後の企業の競争力を左右する鍵となるだろう。

出典:スリスタ 「企業の生成AI活用実態調査2026」より


