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2026.06.07 08:00

トークン課金が露呈させたAIのROI不在、危機に瀕する数千億円規模の賭け

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トークンは買う価値があると証明できるか

これがベンチャーキャピタルにとって重要なのは、現在のAIインフラ投資の波が、企業向けAIが持続的かつ継続的な収益源になるという前提の上に成り立っているからだ。調査会社ガートナー(Gartner)は、AIエージェント向けソフトウェアへの支出が2026年に2070億ドル(約33.1兆円)に達し、2025年比139%増加すると予測している。

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この成長軌道は、企業がAI支出を拡大し続けることを前提としている。だが、ウーバーが発したシグナル、そして各社がひそかにトークン消費を抑え始めている傾向は、この成長軌道が限界部分で圧力を受けていることを示唆している。金融ニュースサイトのThe Streetが指摘したように、トークンを販売する側は、買い手がROIを示せるか否かにかかわらず、現在の普及から利益を得ている。問題は、CFO(最高財務責任者)がこの費目を把握できるようになった今、その不均衡がどれほど続くかである。

AnthropicのCEOであるダリオ・アモデイは、別の文脈ながら、このタイミング上のリスクを明確に認めている。2月のインタビューで彼は、AIの収益成長予測がわずか1年でもずれれば「破綻する」と警告した。これこそが、彼が設備投資をハイパースケーラー(巨大クラウド事業者)各社よりも保守的に抑えてきた理由である。

彼が言及していたのはAnthropic自身のインフラ投資だったが、その論理は同社の企業顧客にも当てはまる。トークンベースの課金によって、生産性の向上ではコストを正当化できないと明らかになった場合、企業は破綻するわけではない。ただ契約を更新しなくなるだけである。

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GitHub Copilotが2026年6月にトークンベースの課金へ移行したことは、これまでで最も明確な、一般利用者レベルの証拠となった。プロモーション料金プランの利用者からは、わずか数回のプロンプトで月間クレジットの30〜60%を使い切ったとの報告が相次いだ。あるユーザーは、Copilotが一夜にして最もお気に入りのサブスクリプションから、最もストレスの多いものへと変わったと述べた。

彼らは開発者であり、最も高いAIリテラシーと、AIツールを使いこなそうとする最も強い動機を持つアーリーアダプター(初期採用層)である。彼らにとってさえコストと価値の計算が破綻しつつあるのなら、企業への普及見通しは、評価倍率が示唆するよりも脆弱な地盤の上に築かれていることになる。

投資家にとって、トークン課金への移行は、AI業界が生み出した初めての本格的な価格発見メカニズム(適正価格を探る仕組み)である。定額制のサブスクリプションは都合のよい見かけを作り出していた。コストは低く、普及率は高く、ROIは後で対処すればよい問いだった。

今やその核心的な問いであり課題となっているのが、従量課金である。Anthropicが1兆ドル(約160兆円)近い評価額を正当化する道は、企業各社が自社の財務部門に対し、トークンは買う価値があると証明できるか否かに直結している。その投資対効果を最初に測定できる企業こそが、現在の資本構造が持ちこたえるかどうかを決めることになる。それができない企業は、真っ先に契約の再交渉や戦略の見直しを迫られることになるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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