現在、地球上には3つの知能が共存している。人間、動物、そして人工知能(AI)である。AIを備えた「エージェント」の数は、どの時点で地球上の人間の数を上回るのだろうか。
主要なモデル共有サイトであるHugging Face(ハギングフェイス)には、300万を優に超える大規模AIモデルが公開されている。その数は1日に約3000件ずつ増えており、複利で見ると1日約0.2%の増加率に近い。つまり、掲載モデル数はおおむね毎年倍増している。最初の100万モデルが蓄積されるまでには1000日以上かかったが、次の100万モデルにはわずか335日しかかからなかった。
私がこれを書いている時点で、どれほどのエージェントが存在するかを考えるための1つの代替指標は、大規模モデルのダウンロード数である。Hugging Faceはこの数字を分かりやすい形では公表していないため、推定するしかない。以下の私の試算はフェルミ推定(限られた情報から概算で答えを導く手法)として受け止めてほしい。前提は大まかであり、精度は小数点以下ではなく、せいぜい桁のレベルだ。
公開されている分析で最も有用なのは、ロイック・ブルドワによる、Hugging Faceで最も多くダウンロードされた上位50件のエンティティに関する調査だ。上位50件はHugging Face全体のダウンロード数の約80%を占め、これまでに約300億回ダウンロードされている。エージェントとして機能し得ると考えられる10億パラメータ超のモデルは、総ダウンロード数の約8%を占めている。
これらを総合すると、Hugging Faceだけで大規模モデルのダウンロード数は30億件に達している可能性が高い。
仮にこれが、インターネット全体のダウンロード数の半分に当たるとしよう。だとすれば、大規模モデルのダウンロードは合計でおよそ60億回ということになる。これらのモデルの一部は、1度も使われていないかもしれない。一部は何度もコピーされ、100件のエージェントのワークフローの一部として呼び出されているかもしれない。これを把握するのは非常に難しい。なぜなら、こうしたことはすべて、家庭や民間データセンターなど、観測できない末端で起きているからである。私としては、これを1対1として扱うのが控えめな見積もりだと考える。すなわち1回のダウンロードが、おそらく1体のエージェントを稼働させるとの想定だ。なぜ控えめと言えるのか。最も少なく見積もった場合に起こりうるのは、あるモデルがエージェントを1体も稼働させないことだからだ。最も多ければ、数百体、あるいは数千体かもしれない。
では、クラウド上の大規模モデルへの呼び出しはどうだろうか。現在、カスタムエージェントに関しては、普及状況から単純に計算しても、クラウドへの呼び出しがローカルモデルの利用を大きく上回っている。OpenAI、OpenRouter、Anthropic、Google Gemini、その他の企業が発行したAPIキーの数は、クラウドモデルを使うエージェント数の代替指標になるかもしれない。しかし、そのデータは機密情報である。とはいえ、Anthropicだけで年換算470億ドル(約7兆5200億円)の売上を達成していることはわかっている。これは膨大なAPI呼び出しだ。



