これは光ネットワークで起きたこととまったく同じだ。DWDMの先駆者の1社であるシエナはドットコム崩壊を生き延びた一方、ノーテルとルーセントは崩壊した。DWDMが失敗したからではない。DWDMの上で事業を築いた企業(グーグル、アマゾン、ネットフリックス)が、インフラが可能にした価値を取り込んだからである。インフラ構築者のジレンマは構造的だ。能力のコモディティ化に成功すればするほど、自らのマージンを圧縮してしまう。
オープンウェイトモデルはすでにこのダイナミクスを加速させている。フロンティアのクローズドモデルとオープンウェイトの代替モデルとの差は2023年以降大幅に縮小し、独自のクローズド(非オープンソース)型モデルを展開するAIラボがかつて持っていた価格決定力を圧縮している。企業のAI予算は2024年の年間120万ドル(約1億9200万円)から2026年には700万ドル(約11億2000万円)に拡大したが、その支出増加は基盤モデルのAPI利用料よりも、推論とアプリケーションインフラに流れる傾向が強まっている。フロンティア研究所の評価額を正当化してきたユニットエコノミクスは、オープンウェイトモデルが体系的に縮めつつあるパフォーマンス格差の維持に依存している。
マリクのDWDMアナロジーには、彼の記事では十分に表面化されていないもう一つの含意がある。光バックボーンを構築した企業は愚かでも経営が下手だったわけでもない。ノーテルの光ネットワーク収益は2000年に133%増の92億ドル(約1兆4800億円)に急増した。問題は、彼らが構築したインフラが自らを代替可能にしてしまったことだ。2026年のAI投資家にとっての問いは、基盤モデル研究所が十分なアプリケーション層のロックインを構築できたかどうかである。開発者エコシステム、独自のデータフライホイール、あるいは企業との関係を通じて、同じ構造的運命を回避できるかどうかだ。
マリクが注目すべきシグナルとして挙げるのは、ベンチマークが会話から消えることだ。企業のシステム導入担当者がどのモデルが推論テストで最高スコアを出すかを問うのをやめ、なぜ自社のソフトウェアがよりスマートに感じられるのかを問い始めたとき、インフラの転換は完了する。その転換はすでに進行中だ。OpenAIは2026年5月に非公開でIPO目論見書を提出し、アンソロピックも追随する可能性が高い。両社とも、上場の好機(IPOウィンドウ)が閉じる前に、投資家が光ファイバーが可能にする価値と光ファイバー自体の価値は同じではないことを理解する前に、公開市場への上場を急いでいる。
アプリケーション層で事業を築く投資家と創業者は、この局面を注意深く読むべきである。AI時代を定義する企業は、おそらく現在、世界のベンチャーキャピタルの14%を消費している企業ではない。その上で静かに構築している企業である可能性が高い。このサイクルにおけるノーテルに対するグーグルやアマゾンのような存在だ。光ファイバーは、すでに地中に敷設されている。


