経営・戦略

2026.06.05 14:00

米ウイスキー大手ジャックダニエル、新作フレーバーでアルコール業界の向かい風に挑む

Deb Cohn-Orbach/UCG/Universal Images Group via Getty Images

Deb Cohn-Orbach/UCG/Universal Images Group via Getty Images

米国製ウイスキーの最も象徴的なブランドの1つであるジャックダニエルは、国内におけるアルコール消費の減退に伴い売上が落ち込んでいる。同ブランドを展開するブラウンフォーマンが米国時間6月4日に発表した2026年度の決算報告で明らかになった。一方で、ブラックベリー・フレーバーの発売や、高級ライン「ウッドフォードリザーブ」の堅調な伸びが支えとなり、ウイスキー製品全体の売上高は前年を上回っている。

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同社の米国における純売上高は7%減少した。コーベル・シャンパン・セラーズとの提携終了に加え、主力であるジャックダニエルにおける販売量減少が響いた格好だ。

アルコール飲料業界で消費者需要の指標として用いられるジャックダニエルの「ディプリーション(Depletions)」は前年比3%減となった。また、オーガニック純売上高も約4%減少している。

しかし、ウイスキー製品全体のオーガニック純売上高は依然として1%のプラス成長を維持しており、ジャックダニエルのブラックベリーフレーバーの発売とウッドフォードリザーブの成長が全体を牽引した。

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同社のプレミックス飲料(アルコールがブレンドされた飲料)に関しても、主にメキシコで展開する「ニューミックス」の好調さに支えられ純売上高が増加した。一方で、ジャックダニエルのRTD(レディ・トゥ・ドリンク)カクテルの純売上高は約5%減少している。

ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、ブラウンフォーマンの総純売上高は約2%増の9億1200万ドル(約1459億円)に達し、市場予想の8億7990万ドル(約1408億円)を上回った。

同社は2027年度の売上高はほぼ横ばいで推移するとの業績見通しを示している。

昨年8月に公表されたギャラップの世論調査によると、アルコールを消費すると答えた米国人はわずか54%に留まり、たとえそれが適度なものであっても飲酒が健康に与える影響が懸念されていることが分かった。これは調査が始まった1939年以来の過去最低記録である。また、米国人が選ぶアルコール飲料の筆頭には依然としてビールが挙げられた。同調査によると、飲酒をする米国人のうち約38%がビールを好むと答えたのに対し、蒸留酒を好むと答えたのはわずか30%だった。

今年初め、ブラウンフォーマンは他の飲料大手2社との合併が噂されていたものの、結果的にそれらが実現することはなかった。サゼラックはブランフォーマンに対して150億ドル(約2兆4000億円)での買収を打診したが、ブラウンフォーマンは5月上旬にこの提案を拒否したと報じられている。また、人気ブランドのアブサンを展開するフランスのペルノ・リカールも同社に対し買収提案を行ったものの、両社は4月に協議を打ち切ったと発表した。

決算報告を受け、4日のブラウンフォーマンの株価はわずかに上昇して25.29ドルの値をつけた。しかし、合併協議が進行中だった3月の日中最高値(28.46ドル)には依然として届いていない。

3月に発表された米蒸留酒協議会(DISCUS)の報告書によると、米ウイスキー業界の輸出は2025年に急減した。主に欧州連合(EU)への輸出が35%減少したことが原因で、ウイスキーの輸出は約19%減少している。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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