精密ドローン(無人機)攻撃によって現代戦が再定義されつつあるなか、それを迎え撃つ「迎撃ドローン」が非常に重要な防衛技術として台頭している。迎撃ドローンは、飛来してくる敵ドローンを追尾し、目標への到達前に撃破する航空システムである。
ロシア・ウクライナ戦争では現在、双方が迎撃ドローンを防空網に組み込んでおり、その重要な実験の場になっている。ウクライナ軍はさまざまな迎撃ドローンを配備し、ロシア側によるドローン攻撃に対して大量に投入するようになっている。一方、ロシア軍による取り組みはこれまで限定的なものにとどまっている。ロシア側が主に用いているのは「ヨールカ」(ロシア語で「モミの木」、あるいはクリスマスや年始を迎えるためそれに装飾を施したツリー)と呼ばれるシステムであり、これは「撃ち放し」方式の小型の運動エネルギー撃破型ドローンである。
ヨールカは2025年に配備されて以来、ロシア軍の人員に一定の防護を提供してきた。しかし、運動エネルギーのみを利用する撃破方式と生産数の少なさから、実戦での価値は限られるのが現状となっている。
ロシアのヨールカ迎撃ドローンとは
ヨールカは、小型のFPV(一人称視点)クワッドコプター(回転翼4枚のドローン)から、より大型の固定翼ドローンまで、ウクライナの多岐にわたるドローンに対処するための軽量・短距離の迎撃ドローンである。コンパクトな円筒状の胴体を持ち、前後にそれぞれX字形に配置された4枚の固定翼が付いている。公開されている画像からは、機体はカーボンファイバー製部品と3Dプリントの構造体でできているように見受けられる。
伝えられるところでは、ヨールカは重量1.3kgで、最高速度は時速230kmに達する。交戦距離は最大4km、運用高度は最大2kmとされる。主として1人の兵士が手持ち式ランチャー(発射機)から発射することを想定した仕様になっているが、レーダーシステムと統合された固定式発射プラットフォームを使う派生型もあるようである。
ロシア国防省が通信アプリ「テレグラム」に投稿した動画では、敵ドローンを迎撃するためにヨールカを展開する手順が示されている。運用者は箱からヨールカを取り出し、下部のランチャーを握り、飛来してくるドローンのおおよその方向に向けて構える。その後、安全装置を解除し、ボタンを押して発射する。



