米国時間6月3日、『Forbes Iconoclast Summit』に登壇したバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のブライアン・モイニハンCEOは、米国は現在、インフレ率の上昇やガソリン価格の高騰といった先行き不透明な環境下にあるものの、ベビーブーマー世代や高齢者層を含めた消費者の支出は依然として力強い伸びを示していると述べた。
15年近くバンカメを率いてきたモイニハンは、同行の研究所がまとめたデータを引き合いに出し、5月の個人消費が前年同月比で5%増加したと言及した。
「データの詳細な内訳を見ると、ベビーブーマー世代や高齢者層が例年より速いペースで支出していることがわかる」「今後の動向を見守る必要はあるが、現時点における彼らの消費行動は非常に旺盛だ」
また、米国の他の金融機関よりも多くの小規模企業を顧客に抱えるバンカメは、中小企業からの資金需要も極めて活発であると述べた。
同行は今年に入り、2026年における米国のGDP成長率予測を2.6%から2.8%へと引き上げている。これは他の市場予想を上回る水準であるが、モイニハンは力強い個人消費と堅調な資金需要をその根拠にあげた。
モイニハンは米大手銀行のCEOの中でも最も在任期間が長い人物の1人であり、2010年にトップに就任して以来、2008年の金融危機の余波のなかで同行の立て直しと基盤強化を牽引してきた。
「(ウクライナをはじめとする)戦争などの外部要因により、ガソリン価格の高騰が支出を鈍化させている側面はある。しかしその一方で、技術開発を後押しし、大企業のビジネスを牽引するAI関連投資の存在も忘れてはならない」とモイニハンはステージ上で強調した。
ミシガン大学が発表する消費者態度指数は5月に過去最低水準を記録した。インフレの上昇、ガソリン価格の高騰、関税による圧力、そして賃金の停滞に対し、米国の消費者が強い懸念を示した結果だ。それでもバンカメは昨年以降、2026年には米国のGDP成長率は拡大し、個人消費は伸びると予測し続けている。モイニハンのリーダーシップのもと、同行は時価総額3600億ドル(約58兆円)超の企業へと成長を遂げ、その運用資産は2兆4000億ドル(約384兆円)を超える。これはJPモルガン・チェースに次ぐ米国第2位の規模だ。2025年、バンク・オブ・アメリカは過去最高となる305億ドル(約4兆8800億円)の純利益を達成したほか、今年第1四半期にはすでに前年同期比で7%の増収を記録している。
今年で開催5回目を迎えた年次イベント『Forbes Iconoclast Summit』は、世界で最も影響力のある投資家や金融関係者が一堂に会する一大サミットだ。彼らの総運用資産は実に約3200兆円を超える。今年の登壇者にはモイニハンのほか、ブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオ、カーライル・グループCEOのハーベイ・シュワルツ、そして先日ビリオネアの仲間入りを果たしたばかりのデビッド・ベッカムらが名を連ねている。



