キャリア

2026.06.06 11:00

AIを導入した企業で未経験者の採用が8割減少している理由

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米ハーバード大学がこのほど公開した発表前の論文によると、生成AIを導入した企業では2023年以降、四半期ごとのエントリーレベルの採用(実務経験が少ない人や未経験者を対象とした採用)が約80%減少している。人工知能(AI)は業界を問わず若手人材に対する需要を減少させており、その影響はすでにエントリーレベルの採用動向に表れている。

同大学の経済学者のセイエド・ホセイニとガイ・リヒティンガーが行った研究は、28万超の米企業で2015〜2025年に働いていた6600万人の労働者を対象とした履歴書データと求人データを分析した。生成AIはキャリア初期にある労働者への需要を不均衡に減少させる一方で、そうした企業ではベテランの雇用は増加し続けている。ホセイニとリヒティンガーはこれを「年功偏向型技術変化」と呼んでいる。

この傾向は業界を問わず見られ、その主な要因は人員削減ではない。企業はエントリーレベルの採用を縮小しており、その理由はAIが仕事を代替しているという単純な話ではない。

未経験者の採用は定型業務の自動化に伴い減少

多くのホワイトカラー職ではエントリーレベルの労働者は最初の数年にコードのデバッグや法務文書のレビュー、文書作成、データ入力といった定型業務を担当する。これらはまさに生成AIが最も得意とする類の仕事だ。

AIを積極的に業務プロセスに組み込んだ企業では、AI導入後6四半期以内にAIを導入していない企業と比べてエントリーレベルの雇用が約9%減少した。一方で、そうした企業のベテランの雇用は増加し続けた。

この減少はエントリーレベルの仕事そのものの性質を反映している。生成AIは体系化されている検証可能な業務、つまり実務を通じて蓄積されるものではなく教科書や学習データから習得できるような業務において特に力を発揮する。キャリアの初期段階における業務はまさにそのカテゴリーに当てはまる。AIを日常業務に組み込んでいる企業にとって、これはエントリーレベルの労働者の減少を意味する。

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翻訳=溝口慈子

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