「真の意味でAIに習熟した人材」を採用する方法
採用のミスマッチを改善するために、採用プロセスをゼロから再構築する必要はない。ただし、応募者が持つどのスキルをあぶりだすべきなのかという点で、採用プロセスを構想から変える必要がある。
採用面接でも、応募者に対して、「どんなAIツールを使っているのか?」と尋ねるのはやめ、代わりに、彼らが再構築したワークフローについて逐一説明するよう依頼しよう。変化した点、打破した点、検証した点について語ってもらうのだ。こうした問いへの答えであれば、虚偽のアピールをするのはずっと難しくなるはずだ。
ここから、AI人材の採用に関して最も重要な3つの実践が導き出される。1つ目は、具体的かつ数値化可能な基準を持つ、きちんと構築された評価の枠組みを使うことだ。2つ目として、応募者に、現実に役職に就いた場合を想定したシミュレーションを体験してもらおう。その際には、プロセスの半ばに障害を設定し、応募者が事態の変化に対応できるか、それとも立ち止まってしまうかを確かめよう。そして最後に、共有されたエビデンスに基づいた、チームメンバー全体の評価を活用することが肝心だ。
採用コンサルタントPerformance-Based Hiring Learning Systems(パフォーマンス・ベースド・ハイアリング・ラーニング・システムズ)の最高経営責任者(CEO)を務めるルー・アドラーがリポートで説明しているように、個々の面接者は、自分の有能さをアピールする応募者の言動に騙されがちだ。「すべての関係者がエビデンスを共有することで、自分が見聞きしたわけではない事柄も見えるようになってくる」
まとめ:真にAIに習熟した人材を雇うために、企業が行なうべきこと
この記事の結論は、「AIに習熟した人材を雇うのは不可能だ」ということではない。むしろ指摘したいのは、こうしたスキルが、今の企業の多くがいまだに評価に用いているツールではもう判定できないという点だ。
このミスマッチから生じるコストは測定(数字で証明)されているが、ギャップを縮めることでもたらされるメリットも測定可能だ。米国では、AIに習熟した人材の基準を「基本的なツールを使いこなせること」に置いている企業がいまだに45%を占めている。そして、この6カ月間に、AIに関連したミスが起きたと報告する企業も33%に達している。一方、「自律的なAI使用と検証」をより多くの企業が要求している英国では、ミスの発生率は13%と比較的低い。
人材の採用時に、上流が設定する基準が、下流における成果の質を決める。広く浅くではなく、深い知識を求めよう。応募者が実際に成し遂げたことが何なのかを掘り下げれば、真実がより明確になる。
最高のAI人材とは、単にAIを言葉で知っているだけではない。実際の成果物を見せることができる人材なのだ。


