【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

暮らし

2026.07.05 15:00

検索だけで植樹するエコジアCEOが捨てない無料の会議用卓球テーブルの価値

贈り、贈られたモノや体験は、人生を変えるほどの力を持つことがある。企業のトップ、リーダーたちが経験した、モノや体験に介在する特別な思い入れを紹介する。自身の生き方、サクセスストーリーにも影響を及ぼしたであろう「GIFT」の逸話には人間味あふれる姿がある。希薄化も言われる現代の人間関係とは異なる、特別な関係だ。


THE GIFT #37

クリスチャン・クロル
Ecosia(エコジア) CEO / founder

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ミーティング時はもちろん、休憩時には卓球台としても活躍。
クロル氏自身も、卓球を楽しんでいるという。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

会議室に置かれた、大きなミーティングテーブル。この贈り主の名を、私は知らない。

出合いは、最初のオフィスをモザイクアートの工房だった場所に構えたころのこと。当時はまだ会社が小さく資金も乏しかったなかで、運よく無料で譲ってもらったのが、この卓球テーブルだ。実は、ベルリンでは自宅やオフィスの家具を中古で揃えることはごく一般的で、たいてい状態も良い。とてもサステナブルな商品の在り方だと言えるだろう。

エコジアは「利益を植樹に充て、社会貢献する」検索エンジンで、これまで2億5000万本以上を植樹してきた。思えばこのシステムも、自分の検索が誰のための木を植えているのかわからない、匿名のギフトのようなものだ。匿名の善意により私たちのもとに来たこのテーブルは、まさに当社のビジネスモデルを体現していると言えるだろう。

2021年、オフィスを移転した際にも当然もっていき、今も社内のいちばん大きな会議室で活躍中だ。このテーブルは、以前より資金に余裕ができた現在も、“あのころ”を思い出させてくれる。我々にとって、資源を大切にする判断を忘れないための象徴でもあるのだ。


クリスチャン・クロル◎1983年、旧東ドイツ・ヴィッテンベルク生まれ。エアランゲン=ニュルンベルク大学で経営学を学び、2007年卒業後、09年に検索するだけで植樹に貢献できる検索エンジン「Ecosia」をベルリンで創業。26年4月までに累計約2億5000万本を植樹。現在も創業者兼CEOとして同社を率いる。

文=伊藤美玲 イラスト=東海林巨樹

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事