起業家

2026.06.12 13:30

EC業界の裏側を支える「当たり前のインフラ」、急成長Recustomerが狙うアジア市場

(写真左から)石橋孝太郎(Gazelle Capital)・柴田康弘、辻野翔大(Recustomer)

(写真左から)石橋孝太郎(Gazelle Capital)・柴田康弘、辻野翔大(Recustomer)

柴田康弘と辻野翔大は2017年3月、ANVIE(現Recustomer)を共同創業した。同社は、EC事業者向けに商品購入後の顧客体験の向上や顧客接点の構築を支援するプラットフォーム「Recustomer」を展開。返品・交換・注文キャンセル業務の自動化を皮切りに、注文を追跡して配送予定日を通知する機能やお試し購入を可能にする機能を提供。累計500ブランド以上が導入している。

Gazelle Capitalの石橋孝太郎は、プレシードラウンドからRecustomerに参画し、継続して支援している。


石橋:Recustomerには、19年末のプレシードでのリード投資をはじめ、これまでに3度出資しています。初回時はまだ現在の事業の影もかたちもないタイミングでしたが、柴田さん、辻野さんをはじめとするチームの力を信じて投資を行いました。最初のプロダクトがうまく市場にフィットしないケースはざらにあります。そのときに、営業力やモノをつくる力があり、自力でキャッシュフローを回せるチームであれば、何度でもバッターボックスに立てる。Recustomerは、若いメンバーだけで会社を立ち上げ、自力でサバイブしてきた実績がありました。

柴田:当時は理想と現実のギャップにもがき苦しんでいましたね。自社プロダクトをつくっては失敗しての連続で、受託開発でなんとか食いつないでいた。

辻野:石橋さんからPL(損益計算書)を意識し過ぎた経営をしていると指摘いただいたことを思い出しますね。

石橋:ただ、生き残るためにECサイトの受託開発を行ったことで、小売業への深いインサイトを得られた。それが現在の事業につながりましたね。「Recustomer」の構想を聞いて、2回目の投資を即決しましたから。

柴田:返品やキャンセルと聞くと、地味なイメージをもちがちですが、深掘りしていくとすごくポテンシャルがあると気づいたんです。日本は海外と比べて消費者都合による返品に厳しい商慣習ですが、外資系ブランドが続々と参入し、競争圧力によって日本のブランドもポリシーを緩和していくことが予想できました。ブランドのEC化率も伸び続けるため、返品マーケットは急拡大すると確信したんです。

辻野:お客様にヒアリングをすると、「本当は返品を受けたいけれど、手間とコストがかかるから難しい」という矛盾も抱えていました。その課題を解決するシステムには、必ず大きな需要があると思いましたね。

次ページ > 返品や交換を「負のコスト」ではなく「前向きな投資」へ

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

タグ:

連載

私がこの起業家に投資した理由

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事