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2026.06.07 07:00

孫正義、J・K・ローリング、エリソン、セイラー、トランプ──1度は失墜した富豪5人の「復活劇」

YOSHIKAZU TSUNO/Gamma-Rapho via Getty Images

YOSHIKAZU TSUNO/Gamma-Rapho via Getty Images

富豪の世界では、頂点から1度転落した人物が劇的に返り咲くことがある。本稿が紹介するのは、そうした「復活」を遂げた5人だ。

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フォーブスは米国時間6月2日、各業界の現状を覆すリーダー50人を選ぶ「Iconoclast 50(アイコノクラスト50)」2026年版を発表した。アイコノクラストとは「既成概念を打ち破る者」を意味する。選ばれた50人の資産は合計で2兆5000億ドル(約400兆円。1ドル=160円換算)を超える。本稿の5人もこのリストに名を連ねる。

米国では、フォーブスの長者番付が富と成功を測る公的な物差しとして広く知られている。番付に載ること、そこから外れること自体がニュースになる。現職大統領であっても推定資産が公然と報じられ、フォーブスはトランプの資産を1982年から追い続けてきた。

5人はいずれも、かつてこの物差しの上で大きく評価を落とした。オラクルのラリー・エリソンはクラウド時代に出遅れて「時代遅れ」と見られた。マイケル・セイラーはITバブル崩壊後に長く沈黙した。ソフトバンクの孫正義はウィーワークの失敗で新興企業ブームの過熱を象徴する存在となった。「ハリー・ポッター」の作者J・K・ローリングは資産を減らし、後に言動をめぐる激しい批判を浴びた。トランプは1期目の退任時、25年ぶりに米長者番付「フォーブス400」から外れた。

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その5人が今、AIブームや暗号資産、メディア再編の波に乗って再び頂点へ駆け上がっている。フォーブスは彼らを、自らの評価(レガシー)を書き換えつつある人物と位置づける。

(※掲載している純資産額はすべて米国時間2026年6月2日現在のもの。孫正義の純資産額のみ、Iconoclast 50を基にしている)。

ラリー・エリソン(81):純資産額 約47.2兆円

ラリー・エリソンが1977年に企業向けソフトウェア開発会社オラクル(Oracle)を共同創業したとき、第1世代のパーソナルコンピュータが市場に出回り始めたばかりだった。彼は先行者利益を活かし、オラクルのリレーショナルデータベース(膨大な情報を相互に関連づけたテーブル形式で整理するソフトウェア)を各業界の標準とし、ドットコムブームに沸いた1999年には1500億ドル(約24兆円)を超える時価総額に到達した。

しかし2010年代に入ると、クラウドコンピューティングが台頭した。製品を企業のサーバルームに個別導入する形態に依存していたオラクルは、にわかに時代遅れの恐竜のように見えるようになり、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)とマイクロソフトのアジュール(Azure)にシェアを侵食された。ドットコムバブルの崩壊時に株価が75%下落していたオラクルは、セールスフォース(Salesforce)のような競合が先行する中、低迷を続けていた。そこでエリソンは、オラクル・クラウド・インフラストラクチャ(OCI)に投資し、近年では高性能データセンターを建設するなど、新時代に向けてオラクルを再構築した。

ベアード(Baird)のアナリスト、ロブ・オリバーはこう語る。「エリソンは、この会社の絶対的な中核となる差別化要素を見失うことが1度もなく、その中核において革新を続けています。それがデータベースです」。

80代前半となった現在、エリソンは再び同じことをやってのけている。AIブームの波に乗り、時価総額は2025年9月に一時1兆ドル(約160兆円)近くに達した。そして個人資産は2950億ドル(約47.2兆円)に上り、世界で最も裕福な5人の1人に名を連ねている。

昨年8月、彼はその影響力をさらに拡大した。息子のデイビッドが、スカイダンス・メディア(Skydance Media)との合併を通じてパラマウント(Paramount)の経営権を握ったのだ。同社による1110億ドル(約17.76兆円)でのワーナー・ブラザース・ディスカバリー(Warner Bros Discovery)買収が9月までに完了する見通しであり、エリソンはCNNやCBSからHGTV、HBOにまで及ぶメディア帝国に君臨することになる。

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翻訳=酒匂寛

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