AI

2026.06.19 13:30

AI共生社会に生き残るリーダーに必要な知的謙虚さと日本の組織が持つ意外な強み

新時代のリーダーの3つの資質

私は、これからの若いリーダーに3つの資質を勧めたいと思います。第一に謙虚さ。第二に好奇心。第三に人間らしい触れ合いを軽視しないことです。AIは心地よい答えを返すのが得意ですが、相手の成長のために、時に耳の痛いことを思いやりをもって伝えるのは人間にしかできません。

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さらに、相手の言葉の奥にある不安や違和感を丁寧に受け止める“積極的傾聴”も、これからいっそう価値をもつでしょう。機械によって最適化される時代だからこそ、相手にきちんと向き合い、考えを引き出し、必要なときに問いを差し向ける力が、リーダーの質を決めます。そして私は、日本の組織文化のなかには、この時代にこそ再評価されるべき強みがあるとも感じています。すぐに答えを出すのではなく、考え抜くことを重視する姿勢、謙虚さ、合意形成のプロセスそのものに意味を見出す感覚です。

もちろん、それが硬直化すれば弱点にもなります。しかし、米国型の早さや断定の強さだけが正解ではありません。破壊的技術の時代に必要なのは、過信ではなく、学び続けながら判断を更新する柔軟性です。AIが進化するほど、最後に問われるのは、人間がどれだけ謙虚に、しなやかに、そして誠実に考え続けられるかです。私はそこに、AIに代替されないリーダーシップの本質があると考えています。


デビッド・ロブソン◎科学ジャーナリスト。New Scientist誌フィーチャーエディター、BBC Futureシニアジャーナリストを経て独立。BBC、New Scientistなど多くの媒体で執筆。著書に『知性の罠』(原題:The Intelligence Trap)など。

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文=谷本有香 イラストレーション=ブラチスラフ・ミレンコビッチ

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