配当のためにビットコインを売る──Strategyの5月の計画
Strategyは先月、配当支払いのコミットメントを満たし、将来もし同社がビットコインを売る必要が生じた場合でも買い手がいることを市場に示すため、ビットコインの一部を売却する可能性に言及していた。
「市場に耐性をつけ、我々がそれをやったというメッセージを送るためだけに、配当を支払う目的でビットコインをいくらか売ることになるだろう」とセイラーは5月の第1四半期決算説明会で語り、同社は「信用でビットコインを買い……値上がりさせ……その後……配当を支払うためにビットコインを売る」計画だと付け加えた。
当時、セイラーはこの計画を「経済的観点からは大した話ではない」と呼び、Strategyのビットコイン売却がビットコイン価格の暴落を引き起こすのではないかという懸念を退けた。さらに、いかなる売却も大規模なビットコイン買いに続くと示唆した。2022年に同社が将来の利益と相殺できる税務上の損失を確定させるため約700ビットコインを売り、数日後に800ビットコインを買い戻した際と同様だという。
「決して売らない」が崩れ、Strategyは市場のストレステストに
Delphi Digitalのアナリストはメールのレポートで、「ビットコインの弱さが、Strategyを市場のストレステストに変えた」と記した。
「ビットコインは週ベースでおよそ5.5%下落し、Strategyが32ビットコインを売却したことで、話は理論から現実へと移った。市場は、Strategyがもはや純粋に一方向の積み上げ手段として読まれていないことを学んだ。古い『決して売らない』というミームは、決算説明会の言葉の上だけでなく、実務としても崩れた。問いは、Strategyが売れるかどうかから、義務やバランスシート管理の必要性が生じたときに担保を供給へ転換し得る財務会社を、市場がどう価格付けするかへと移る。最大の企業ビットコイン保有者が持つ選択肢は、価格発見の一部になる」。
ETFから28億ドル(約4452億円)流出、対イラン紛争もビットコインの重しに
ビットコイン価格を追う他のウォッチャーや市場アナリストも、ビットコインが再び価格暴落に向かう可能性を懸念している。
Coin Bureauの共同創業者でマクロアナリストのニック・パックリンはメールでのコメントで、「今週、モメンタムはビットコインに味方していない」と述べた。「ビットコインETFからの累計流出が28億ドル(約4452億円)に達し、さらにマイケル・セイラーが先週32ビットコインを売却したことで、価格には下向きの圧力が強すぎる」。
パックリンは、米国株式市場が「AIをめぐる熱狂に押されて」新高値を更新し続ける中でもビットコインが下落している点を指摘した。「これはビットコインが暗号資産固有のセンチメントにより強く左右されていることを意味し、そのセンチメントはいま、ほぼ底に近い」と述べた。
パックリンは、ビットコインは「より大きな下落を避けるために、いまは7万ドルを上回って推移する必要がある」と警告した。その上で、進行中の米国の対イラン紛争と、スペースXの新規株式公開(IPO)が「他のリスク資産から投機資金を引き離す」ことでビットコイン価格の重しになっているとし、「総じて、短期的なビットコイン価格にとって良い構図ではない」と付け加えた。


