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2026.06.08 15:15

企業の地域共創が成功しない理由 「地域共創人財」こそ企業価値を高める新時代

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長い間、企業にとって地域課題は「真剣に向き合う必要のないもの」だった。

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それは市民や行政が担うべき領域であり、企業が関わるとすればボランティアやCSRで、あくまでも本業に影響を与えない範囲でいわば「やっていること」を示せれば十分だった。そこに事業的なリターンを期待するという発想は、ほとんど存在しなかったし、地域側もそれ以上を求めなかった。

しかし今、その前提は崩れている。

地域の担い手の減少や高齢化によってコミュニティの自治力は低下し、また行政だけではカバーしきれない「隙間」が各地に広がっている。例えば、子育て世帯や高齢世帯の孤立や、空き家や公共空間の劣化など、地域全体の価値を下げていく問題もある。

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同時に近年、企業にも変化が起きている。パーパスや社会的存在意義が問われる時代になり、ESG評価や統合報告書において、地域社会との関係性やステークホルダーエンゲージメントが開示項目として重視されるようになってきた。

なかでも、経済産業省中部経済産業局は、地域課題の解決を自社事業に取り入れることが採用力強化や企業価値向上、経営革新につながると位置づけ、「シン・経営戦略」として企業への啓発を進めており、地域課題は、企業にとって「向き合わなくてもよいもの」から「無関係ではいられない領域」へと、その性質を変えつつある。

その認識が広まりつつある一方で、「ではどう地域で動くか」「どう地域とつながるか」が分からないまま立ち止まっている企業が多いのも事実だ。

もちろん、地域内の経営者ネットワークコミュニティがすでに存在しているケースもあるだろう。だが、本稿では、組織戦略としての地域共創と、それを担う「地域共創人財」の重要性について焦点を当てていきたい。

なぜ企業の地域連携は空回りするのか

企業の地域連携が、思うように進まない背景にはいくつかの理由が存在すると私は捉えている。

例えば、出発点で「地域の入口が分からない」とつまずく。地域に関わりたいと思っても、どこに接点があるのか分からない。役所や地域の集まりや懇親会や交流会に顔を出しても話は聞いてもらえるかも知れないが、名刺交換をして終わりなんていうのは珍しくない。

仮に何らかのきっかけで地域とつながることができても、次に直面するのは社内と地域双方での「孤立」だ。社内には十分な理解者がおらず、地域側にも継続的に伴走できるパートナーがいない。結果として、取り組みは担当者個人の熱量に依存し、組織として支える体制が整わない。また仮に個人の努力の果てに、一定の成果が出ても、事業として持続する構造にはつなげられず、徐々に社内での優先順位が下がり、最終的に、事業化に至らず静かに撤退する。

現場に残るのはノウハウではなく、「やってみたがうまくいかなかった」という経験であり、それが次の挑戦をさらに難しくする。もちろん、このサイクルを突破している担当者も存在する。ただ一つだけ問いたいのは、それは「組織の力」なのか、「その人の力」なのかという点である。

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文=加生健太朗

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