ソフトバンクグループの孫正義氏が、AIブームの波に乗りアジア1位の富豪に浮上した。市場の熱狂が東京上場の投資大手の株価を過去最高値へと押し上げ、米国時間6月1日には時価総額で自動車メーカーのトヨタ自動車を抜き、日本で最も企業価値の高い企業となっている。
Forbesの試算によると、68歳の同氏の純資産は970億ドル(約15兆5000億円)に達し、その大半はソフトバンク株に由来する。Forbesのリアルタイム・ビリオネア・リストによれば、孫氏は資産900億ドル(約14兆4000億円)を有するインドのリライアンス・インダストリーズ会長ムケシュ・アンバニ氏を抜き、アジア最富裕者となった。
ソフトバンクの時価総額は現在2980億ドル(約47兆7000億円)に達し、孫氏のAI関連投資が市場心理を押し上げたことで、同社株は今年80%以上上昇している。6月1日のCNBCのインタビューで、孫氏はAI革命がドットコム時代の機会の50倍の規模になる可能性が高いと語った。
「これはドットコムの10倍以上、おそらく50倍の規模になると思う」と孫氏は述べた。前日には、フランス全土のデータセンターなどAIインフラに最大750億ユーロ(870億ドル=約13兆9000億円)を投資すると発表していた。
AI関連需要のさらなる拡大が見込まれる中、ソフトバンクのポートフォリオ企業も急騰し、親会社の株価を押し上げている。調査会社モーニングスターのシニア株式アナリスト、ダン・ベイカーによると、株価上昇の主な原動力は、ソフトバンクが約90%の株式を保有するナスダック上場の半導体メーカー、アーム・ホールディングスである。
今年250%以上株価が上昇した英国企業アームは6月2日、150億ドル(約2兆4000億円)の半導体売上目標を前倒しで達成できる可能性があると予測した。3月にアームがチップ製造技術のライセンス供与からの転換を示す初の自社製チップを発表した際、同社は約5年後にそれだけの自社製チップを販売すると予測していた。アーム自身の予測によれば、その時点で年間総売上高は250億ドル(約4兆円)に達し、2025年の実績の6倍以上の増加となる。
一方、投資家たちは、ソフトバンクが300億ドル(約4兆8000億円)以上を投資しているChatGPT開発元のOpenAIが、さらに高い評価を得る可能性に賭けている。億万長者のサム・アルトマンが率いるOpenAIは、アマゾン、エヌビディア、そしてソフトバンクを含む投資家から1220億ドル(約19兆5000億円)を調達した後、3月下旬に8520億ドル(約136兆円)の企業価値評価を受けた。



